「サイレント・ウォーター」 感想 サメ抜き版海底47m

概要

原題:BREAKING SURFACE

製作:2020年スウェーデン・ノルウェー・ベルギー

発売:ギャガ

監督:ヨアキム・ ヘデーン

出演:モア・ガンメル/マドレーヌ・マーティン


休暇でスウェーデンからノルウェーの実家に帰ってきたイダは、妹のトゥーヴァと一緒に岩場の海へとダイビングをしに行く。だが海中散策の最中に落石に巻き込まれ、トゥーヴァが海底で動けなくなってしまう。イダは浮上し助けを求めようとするが真冬の山間部に人の気配はなく、自分だけで妹を助けなければならなくなるが…


予告編

感想



ジャケットとあらすじを見ると、シャチ版「海底47m」なのかな?

と思いましたが、実際はシャチなど一瞬しか出てこないので単なるサメ抜き版の「海底47m」でした。どう見ても「海底47m」の影響で作られた映画なのに、よりによってメインディッシュであるサメを抜いて海底で姉妹がジタバタしているだけの味気ないパニック映画にしてしまおうとはどういう判断なのか。



まあクソ寒い真冬のノルウェーの海にサメなんか出るわけないだろうってことでこういう映画になったんでしょうが、今さらサメが寒い海に出たからって誰も気にしないと思うんですよ。出さないだけ損ですよ。もうすぐ「スノーシャーク~悪魔のフカヒレ~」なんていう白雪鮫映画も出ますし、それ以外にもスキー場にサメが出る「アイス・ジョーズ」などというカナダ製クソサメ映画もあるんだから。それに比べれば寒い海にサメを出すことなんてどうってことない。だからこういう映画ではどんどんサメを出すべきです。でも北欧の映画人ってそういうことは絶対しないしみんなえらいクソ真面目ですよね。


…サメのことは置いといて、本作は海底33mで岩に挟まれ身動きを取れなくなった妹を助けるために姉が一人でああだこうだするシンプルなパニック映画です。



本作を見てて思ったのは、パニック映画とはいえちょっとパニックを起こしすぎなんじゃないかということですね。海底で岩に挟まれた妹を助けるためにはジャッキが必要だ!ってことで乗ってきたセダンのトランクを開けようとするんですが、なぜかどうやっても全然開けられなくてヒステリックにパニクりまくる姉。しまいにはナイフで後席を切り刻んだりしてましたが、んなことせんでも後席を倒せばいいだけなんじゃないの?と思うんですがね。一事が万事そんな調子なので見ていて結構イライラします。すぐボンベ落とすし。


すごくどうでもいい話なんですけど、次に車を買い替える時はセダンにしようかなとか思ってたんですが本作を見たせいで何となくセダン車の購買意欲を削がれてしまいました。やっぱりハッチバックとかワゴンの方が良さそう。



あと問題なのは、姉があまりにもパニクりすぎて近くにあった民家に窓を割って侵入し、中にいた犬をぶっ殺してしまった揚げ句家の中を散々荒らしまわるという蛮行を働いてしまったことですね。いくら人の命がかかっていたとはいえやっていいことと悪いことがありますよ。特に犬を殺してしまうくだりは無駄に胸糞悪くなるだけなのになんでそんなシーンを入れたのか全く分かりません。そこ以外にも感じの悪い母親との軋轢などもただ不快なだけで何のために入れたのか分からんし、そんなことするぐらいならやはりサメを(以下略)



まあ、海底遭難パニック物としてはそこそこスリルがあって暇つぶしにはなるクオリティだと思います。

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