「ナイトシューターズ 処刑遊戯」 感想 ゾンビはどこへ消えた?

概要

原題:Nightshooters
製作:2018年イギリス
発売:彩プロ
監督:マーク・プライス
出演:アダム・マクナブ/ニッキー・エバンス/ロザンナ・ホルト/ジーン・ポール・リー

翌朝には爆破解体される予定の廃ビルで、ゾンビ映画を撮影していた自主映画のクルーたち。だが、そこでギャングたちが裏切者を処刑している場面を目撃してしまう。ギャングに追われる羽目になったクルーたちはそれぞれの特技を生かして廃ビルからの脱出を目指すが…。

予告編



感想


廃ビルでゾンビ映画をゲリラ撮影していたら、本当にゾンビが襲ってきた!
…のではなく、ギャングが襲ってきたという話。



それはいいんですが、ゾンビ映画を撮影していたわりにはゾンビ役が一人もいないのはどういうことでしょう。冒頭では数十人規模のゾンビ役が映っていたはずなんですが、いつのまにか撮影スタッフと出演者が合わせてたったの7人しかいない。そんなんじゃゾンビ映画なんて撮影できないでしょう。命を懸けて爆破寸前の廃ビルに侵入してまで一体何をゲリラ撮影するつもりだったのか。まあ、世の中にはゾンビがほとんど出てこないゾンビ映画も確かにありますが…

冒頭でデカデカと「DAWN OF THE DEADLY」とかひねりのないゾンビ映画タイトルが出てくるので、何かゾンビが重要な役割を果たすのかと思ったら全然そんなことはなかった。ただ単に監督のデビュー作がゾンビ映画だったからそうしたってだけみたいです。ギャングが襲ってきてからはゾンビなど影も形もありません。


設定がそもそもアホっぽいし、ギャングもやたらマヌケな奴らが多いのでかなりコメディ寄りのアクションになっています。

…かと思ったら、意外と陰惨なシーンも多い。シリアスモードで観るべきなのかゲハゲハ笑って観ればいいのかよく分からなくなってしまいました。撮影スタッフの女の子が捕まってボコボコに殴られる場面は特に痛々しい。ギャングたちの死にざまもそこそこグロイです。

…かと思えば、爽快感溢れるカンフーアクションがたびたび入ってくる。その辺のクオリティはかなり高い。キレのある跳び後ろ回し蹴りを何度か拝めます。C級スレスレの低予算作品ですが、これぐらい頑張ってくれれば普段からタイやインドネシアの格闘アクション映画を観ているような人でもそこそこ満足できるのではないかと。

しかし、どうも統一感がないというか…辛い物と甘い物と冷たい水を代わる代わる口にしているような感じとでも言えばいいのか。おいしいとこ取りのつもりなんだろうけど、何だかいまいちノレませんでした。撮影スタッフがそれぞれのスキルを活かしてギャングに立ち向かうのは良いと思うんですが。どうせならゾンビも活かしてくれればなお良かったかな。あとこの内容で1時間45分はやや長くてちょっとダレてきますね。まあ、彩プロ配給の低予算作品にしてはかなり良い方なので新作で借りても後悔はしないかと思います。


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