「エマージェンシー 見知らぬ2人」 感想 人生に疲れた中年へ

概要

原題:The Surface
製作:2014年アメリカ
発売:動画配信のみ
監督:ギル・ケイツ・ジュニア
出演:ショーン・アスティン/クリス・マルケイ/ミミ・ロジャース

亡き父の船でクルーズに出たミッチ。湖を航行していると、墜落したセスナ機の残骸に衝突。パイロットと思われる男を救助した。ケガの応急処置を施すも、なぜか男はナイフを片手にミッチに対して警戒するのだった。広大な湖で救出した男との命懸けサバイバルを描くサスペンス・スリラー!

(↑アマゾン商品紹介より)

予告編




感想





今日も今日とてプライムビデオで謎映画漁り。

私はTSUTAYAでは地雷臭いDVDを見つけたら率先してレジに持って行きますが、しかしプライムビデオではそうはいかない。同じ地雷でも威力が段違いだからです。プライムでは慎重に、かつ大胆になるべくマシなやつを探り当てなければなりません。
本作はプライムの謎映画の中でも「ショーン・アスティン」「クリス・マルケイ」と知名度の高い俳優が出ているということで、地雷臭が薄いと判断しました。



ミシガン湖でモーターボートを走らせていたミッチは、セスナ機の残骸に衝突。気を失っていたパイロットのケリーを救出するが、モーターボートも壊れてしまっていた。ケリーは何か訳ありの様子でミッチを威嚇するが…。

という話なんですが、「命懸けのサバイバルを描くサスペンス・スリラー!」とか煽っておきながら、驚くべきことにサスペンス・スリラー感がビタ一文ありません。
いや、一文くらいはないこともないけど、これは完全に「感動のヒューマンドラマ」というやつです。普段観ないジャンルなのでラベルがない。新しく作ろうかと思ったけど、今後見る予定もないからやめました。

DVDレンタルだったらどうにか客をだまくらかしてレジに持って行かせなければならないから詐欺りたくなるのも分かるんですが、プライムビデオでも騙そうとしてくるのは何の意味があるんでしょうか? もうね、単に騙すのが癖になっているとしか思えないんですが。感動のヒューマンドラマならそう宣伝すればいいじゃないですか。何でサスペンス・スリラーを謳う必要があるんすか。プライムビデオの場合、配給会社がどこか分からないから傾向が読めなくて困る。


まあそれはさておき、本作はなかなかいいヒューマンドラマではあります。
ミシガン湖にモーターボートで出て行ったミッチは人生に絶望しており、湖上で自殺するつもりだったが、救助したケリーとの対話を通じてなんやかんや生きる気力を取り戻していく。

感動のヒューマンドラマと言っても全然押しつけがましくなくドラマチックでもないのがいいですね。基本的にオッサン二人が対話してるだけの地味すぎる絵面ですが、退屈はしない。

ミッチがなぜ人生に絶望しているのか、ケリーは何を運ぼうとして事故ったのか、彼らの人生に救いはあるのか。私も人生に疲れた中年なので結構シンパシーを感じながら見入ってしまいました。というより、人生に疲れた中年男性だけが見るべき映画ですね。そうでない人が見ても多分何も面白くないかと思います。

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