「コマンドシップ 恐怖の指令」 感想 意識が滑る

概要

原題:Alarmed/Ghost Boat
製作:2014年アメリカ
発売:配信のみ
監督:マット・ロフグレン
出演:ジェニファー・スタッカート/ブライアン・ライフ/ジョエル・ロス

クルージングに出かけた女性がトラブル続きで身動きが取れない船内に閉じ込められ、AIアシスタントに洗脳される!肉体的にも精神的にも追い込まれた女性は、人さし指の切断、手首の切断、喉頭の切除など、指令レベルが上がるなか、AIに屈伏してしまうのか!?恐怖の洗脳ホラースリラー!
(↑アマゾン商品紹介より)

予告編




感想


今月からプライムで配信されたホラー映画。
製作は2014年とちょっと古めです。

こういう配信のみの映画で、冒頭に「ITN Distribution」のロゴが出てくるとすごい脱力感に見舞われるんですよね。いや「ITN Distribution」がどんな会社なのか全然知りませんが、ネタにもならないほど絶望的なZ級映画率が非常に高いんです。特徴はCGとか着ぐるみとかそういうヘボなりの面白味が何もなく、テンションが極めて低いこと。もはや無気力の域。

こういう無味乾燥すぎる超低予算ムービーを観るたびに、マーク・ポロニアやブレット・パイパーの偉大さが身に染みて分かります。ああ、どうせなら「フランケンジョーズ」や「猿の帝国」みたいに全身全霊でトチ狂ったZ級が観たい。




だが、ITNとてたまには例外もあるはず!
と信じて最後まで鑑賞してみたものの…
案の定、本作も相当キツイ。

文章に目を通してもなかなか内容が頭に入って来ないことを「目が滑る」と言いますが、本作もまさにそんな感じです。「意識が滑る」とでも言いますか。こういう超低予算ホラーってド新人の監督か自主製作のどちらかだと思うんですが、変に凝ってて時系列がグチャグチャなうえ、回想の中でさらに回想したりするんでもう全くワケが分かりません。

なんでこんなにも分かりにくく見辛くしてしまうのか?
魔球を投げたい気持ちはまあ分かるが、まずはストレートをストライクゾーンに入れられるようになってからにしてくれと言いたい。デッドボール連発で試合にならないんですよ。


で、内容は…家族を何者かに殺されたトラウマを持つ女性サマンサが、気晴らしで友人たちとボートで海に出たら閉じ込められ、ボートのコンピュータから「指を切れ」とか「手首を切れ」とか自傷行為を強制される…っていう話です。なかなか独創的ではありますね。

洗脳されたかどうか知りませんが、サマンサはAIの言う通り指をミキサーにかけたり手首を切断したりしてしまいます。その辺の恐怖シーンはZ級に毛が生えたくらいにはよく出来てるので、まあC級映画と言ってもいいクオリティはあるかもしれません。

しかし切ったと思ったら次の瞬間にはベッドで目を覚まして無かったことになっているのでまるでスリルがない。傷跡は残ってるけど…。それにしても、なんでそんなことになっているのか。おそらくサマンサの家族が誰に殺されたのか、その犯人を突き止めるまで苦痛のループに閉じ込められてるとかそういう系統の話だったんだろうなとは思いますが。別にそんなの誰でもいいしな…

ただ、悪霊の親玉と思われる帽子の男はかなり本格的に不気味なオーラが出ていて良かったと思います。全体的に役者はマトモな方です。それだけでも、ITN印の中では相当ましな部類ではないでしょうか。

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