「侵入する男」 感想 家だけに執着してほしかった

概要

原題:The Intruder
製作:2019年アメリカ
発売:ソニー・ピクチャーズ
監督:デオン・テイラー
出演:デニス・クエイド/マイケル・イーリー/ミーガン・グッド/ジョセフ・シコラ

ハワード夫妻(スコットとアニー)は都会の喧騒を離れ、田舎の邸宅を購入。のどかで幸せな日々が過ごせるはずだった。しかし、その家の前の持ち主であるチャーリーが頻繁に訪れてくる。アニーたちは彼のことを親切な男だと思っていた。だが、次第にチャーリーの家に対する執着が異常であることに気付き始め…。

予告編




感想






妙に昭和臭いタイトルロゴがレンタル屋で異彩を放っているが、内容は至極オーソドックスなサイコサスペンス。というか内容も昭和臭いか。まあひねりは少ないけどその分手堅い作りでそこそこ楽しめました。



築100年を超す邸宅を購入したスコットとアニー。前の持ち主であるチャーリーが何かと理由を付けて頻繁にやって来るが、彼は手放したはずの家に異常な執着を持っていた。

日本の戸建と違い、アメリカの家は築年数を経過してもあまり値下がりしないどころか上がることもあると聞きます。本作の舞台となるチャーリー宅も外観は古臭いながらも中身は実に立派。あれなら築100年だろうと欲しくなるのも理解できます。

それにしても、いくらするのかと思ったら驚きの「320万ドル」ときた。築100年で320万ドル。$3200000。値下がりしないってレベルじゃない。日本の小市民である私にはそれが妥当な価格なのかどうかさっぱり分かりません。

しかも、まだ30歳前後と思われるスコットとアニーはあっさり購入を決めてしまいます。一体どれだけセレブなのか。30年ローンを組んでも月8000ドル以上の支払いですよ。広告代理店とはそんなにも儲かる悪魔的商売なのか。サイコ殺人鬼に付きまとわれるよりもよっぽど遠い世界の出来事に感じます。


いやまあそんなことはどうでもいいんですが、売り渡したはずの家に執着しまくるサイコ野郎・チャーリーのサイコっぷりが唯一最大の見どころなわけです。人ではなく「家そのもの」に異常に執着するサイコ野郎はあまり見たことがない。

なので前半はそこそこ新鮮味があると思ったんですが、後半になるとチャーリーは家というより奥さんのアニーに惹かれていることが発覚。いやいやそれじゃただのストーカーじゃないですか。他にも借金があるだのなんだの俗っぽい事情が次々と。なんでわざわざ常識的な方向に持って行く? これはガッカリしますよ。サイコ野郎は理解できないほど怖さが増すんです。だからそこはあくまでも「家」にこだわってほしかったなあ。


夫のスコットは何度もやってくるチャーリーに怪しさを感じて塩対応していたのですが、アニーは不自然にガードが甘くて優しく接し続けてしまいます。そこら辺はスコットが過去に浮気していたことで、「私もちょっとぐらい他の男と親しくしてもいいでしょ」みたいな理由をつけていたんだろうなとは思いますが。若い奥方を狙うストーカーはやっぱり普通すぎた。デニス・クエイドはあまりこういうサイコな役をやるイメージはなかったのでその点だけは大いに新味があったと言えますが、何か惜しい感は否めませんでした。

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