「パラサイト 禁断の島」 感想  トラウマから立ち直るため、無人島で美少女と戯れるホラー(?)

概要

原題:PREY
製作:2019年アメリカ
発売:インターフィルム
監督:フランク・カルフン
出演:クリスティン・フロセス/ローガン・ミラー/ジョリーン・アンダーソン/アンソニー・ジェンセン


強盗に父親を殺された少年トビーは、自己回復の講習プログラムに参加する。それは、マレーシア近海の無人島へ行き、一人きりで3日間過ごすという過酷なものであった。しかし、無人島であるはずのそこでトビーは白人の少女と出会う。この島には何か恐ろしい秘密があるのだった。


予告編



感想


「ハイテンション」「P2」「マニアック」等でアレクサンドル・アジャと組んで監督や脚本をやっていたフランク・カルフンの新作。なので結構期待していたのですが、ホラーなんだか何なのかもよく分からない中途半端な凡作でした。アレクサンドル・アジャが関わらないとこうなってしまうのか?


本作は設定からして相当ガバガバです。

心に傷を負った少年の自己回復のための講習という話ですが、これはアメリカのホラー映画に大変よくあるパターンで、だいたい山奥へ行ってみんなでキャンプファイアーを囲みながら辛い過去を語るというのが定番です。まあ傷ついた少年というよりは非行少年共の更生が多いから本作の主人公トビーが参加したものとは似て非なるものかもしれませんが、何にせよ大自然と触れ合うことで精神状態をまともにしようという試みが広く行われているようです。



が、本作の場合、東南アジアの無人島にたった一人で送り込まれ、3泊4日もサバイバル生活を強いられるという過酷なもの。それもたった1人の指導員が一度に10人ぐらい連れてきて、それぞれ別々の無人島に送り届け、3日後にまた迎えに行くっていう。指導員も相当キツイですよこれは。本当に毎回全員無事に回収できてんのか? 3日間ものサバイバル生活中に海で溺れたり毒ヘビに噛まれたり食中毒になったり岩場にハマったりしたらどうするつもりなのか。



とはいえ、哀れな少年トビーがそんな無謀すぎる過酷な無人島サバイバルで食中毒などに苦しむのはほんの序盤だけ。トビーの送り込まれた島は実は無人島ではなく、白人の美少女マデリンが住んでいたのでした。長く自給自足生活をしていたわりにはナチュラルメイクばっちりのキレイすぎるお顔。しかもマデリンは最初からわりとトビーに好意的で、すぐに甘ったるいキャッキャウフフ空間が形成されることになります。なるほどこんな島であれば辛い過去を忘れて自己回復も捗ることでしょう。

もしかしてこの映画の正しい邦題は「パラダイス 金髪の島」だったか?
間違って別の映画を借りてきてしまったのか?



と訝しみ始めた頃、やっとこの島には邪悪な土着神が存在する…みたいなホラー話になっていきます。
見た目はそこそこ気合が入ってましたが、どういう奴なのか結局よく分からなかったし、大した印象にも残りませんでしたけどね。それより、冒頭でトビーの父を襲った強盗がやたら思わせぶりな格好をしていたのに本筋には特に関係なかったことの方が衝撃でした。オチもひどい。そんな急にホラー映画ヅラされても、何か違うだろ…感が否めない。まあ、C級というほど悪い作品ではないので暇つぶしにはなると思いますが、あまり積極的に勧めたくなるような映画ではありませんでした。




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