「ブック・オブ・モンスターズ」 感想 B級ホラーマニア歓喜の快作スプラッター

概要

原題:Book of monsters
製作:2018年イギリス
発売:プルーク
監督:スチュワート・スパーク
出演:リンジー・レイン/ミカエラ・ロングデン/リジー・スタントン/ダニエル・トラキア/ローズ・ミュアヘッド
アメリカのホラーサイトから飛び出した、超B級スプラッターホラー。18歳を迎えるソフィーは友達とパーティーの為準備していると、父親から幼い頃母が読んでくれた不気味な本をプレゼントされる。”本”から召喚された悪魔たちが友達を次々と惨殺していく中、ソフィーは”本”の内容を思い出し、悪魔たちに立ち向かっていく。

(↑ゲオHPより)

予告編



感想

今月のゲオ先行レンタル2品目。

1品目の「バイオ・エスケープ」はゲオ先行らしからぬ良作でしたが、何と本作までもが(B級ホラーマニア的には)かなりの良作。まさか立て続けに当たり作品を持ってくるとは!? 一体ゲオに何が起こったと言うのでしょうか。いや、発売したのは有限会社プルークか。そこでちょっと調べてみたところ、非常に興味深いことが判りました(※マニア的に)

2015年のゲオホールディングスの有価証券報告書をみてみると、プルークだけ連結の範囲からハブられ、非連結子会社とされていました。理由はあまりに小規模すぎてどうでもよかったからみたいです。「影響が軽微」「重要性がない」とはっきり書かれちゃってます。身も蓋もない。だから今までのゲオ先行レンタルはいまいちだったのか?

しかし、今年の報告書を見ると、「プルークは重要性が増したので連結の範囲に含めた」とあります。昔ながらのレンタルDVD屋がネットフリックスやプライムビデオ等の動画配信サービスに押され衰退しつつある中、これはすごいことですね。地道に、大手が目を付けない隠れた良作を発掘してきた努力が認められ始めたんでしょうか。他人事ながら心よりお祝い申し上げます。




…で、本作の話なんですが、これはめちゃくちゃ貧乏臭いです。
imdbによれば製作費はたったの76000ドルだとか。


内容的には、高校生のソフィーが18歳のお誕生日パーティを自宅で催していたら、謎の変な本からモンスターが召喚され暴れまくる。この謎の本は一体!?
…という感じなんですが、まず登場人物がどいつもこいつも到底18歳に見えない。いや、38歳ぐらいですよね? 冒頭で高校生活が少しだけ描写されるんですが、厚化粧なのに小皺が隠せないトウの立った女子高生たちは観ていてつらい。白いリボンとかしちゃってるし。無理させすぎ!


けど、そんな些末なことは、本から出てきた手作り感ありまくりの安いモンスターがアホな高校生共を八つ裂きにしまくってくれるシーンの素晴らしさで全て帳消しにできます。学芸会用にこしらえたようなやっすいモンスターの攻撃で人体は真っ二つになるわ、ハレツするわ、脊髄引っこ抜くわ、ハラワタはブリブリ飛び出すわと実に景気の良い人体破壊パーティっぷりにB級ホラーマニアは満足するしかない。低予算でも力の入れどころさえ間違えなければこのような素晴らしい見せ場が作れるという良い見本ですね。ちなみに一応断っておくと、全然グロくはないです。

ただの女子高生(?)がそんなバケモノにどう対抗するのか?ってところでオカルトに走らず、あくまで物理で殴ることを重視しているのもアタマ悪くて良い。

難点は、出演者のテンションがなんかいまいち低いってことですかね。こんな馬鹿馬鹿しい話なんだからもっとバカみたいに騒ぎながらチェーンソーをブンブン振り回してくれても良かったと思うんですが、なんかやけにおとなしい感じ。ま、これも些事ですが。


ということで、B級ホラーファンには非常にオススメです。

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