「ゴール・オブ・ザ・デッド 前半戦/死霊のキックオフ大乱闘編」+「後半戦/地獄の感染ドリブル編」 感想

概要


原題:Goal of the dead
製作:2014年フランス
発売:ハピネットピクチャーズ
監督:バンジャマン・ロシェ
出演:アルバン・ルノワール/シャーリー・ブルノー/ティファニー・ダヴィオ/アメッド・シラ

フランスの田舎町キャペロングで、地元のサッカーチームがパリのプロサッカーチームと親善試合を行おうとしていた。しかし、選手の1人がネット通販で購入した怪しいドーピング薬を注射すると、彼はゾンビのような怪物へ変貌。親善試合に乱入し、選手も観客も乳白色のゲロを吐きまくるゾンビだらけになってしまうのだった。

予告編




感想


ここ二十年近くも、毎日のようにお世話になっている行きつけの商店。そこの店主は、一介の客に過ぎない私の好みを私自身以上に把握していると言っても過言ではない。 のれんをくぐれば、いつもおすすめの商品を大量にピックアップしてくれている…とんでもなくお節介な仕事ぶりだが、私はもうその商店から離れられない。行き過ぎるほどきめ細やかな対応にすっかり依存し切ってしまっているのだ。日々の辛い仕事に耐えて稼いだわずかばかりの小遣いは、もうここへ注ぎ込むことしか考えられない。恐ろしいことに彼はそれを全人類に適用しようとしている。彼が人類を掌握し世界を支配する日もそう遠くはないだろう。

税金をロクに払ってないとか、顧客情報をお漏らしして知らんぷりを決め込んだとか、裏では従業員を非情なまでに追いつめているとか…彼にはそんな黒い噂も絶えない。あまりにも巨大になり過ぎたのだ。だが、事の善し悪しは別にして、私は彼が膨大な顧客データから分析してオススメしてくれる商品には絶大な信頼を置いている。

しかし今日、私の目の前に出されたのは、冷蔵庫の奥にしまったまま5年間は放置されていたと思われる牛乳だった。発酵、分離、腐敗…そのサイクルを密閉された紙パックの中で数千回は繰り返したであろうその液体は、宇宙人のゲロのようなおぞましい何かへと変貌していた。これは災禍だ。いかなる人間もこれを飲むという不幸に見舞われるべきではない。私は、彼に裏切られたのだ。




…ということで、この宇宙人のゲロの如き最低映画「ゴール・オブ・ザ・デッド 前半戦/死霊のキックオフ大乱闘編」をアマゾンからオススメされて鑑賞したわけなんですが。


あまりにもひどすぎるんだよ!




…とは言っても、純粋にただのゾンビ映画として観れば、それなりに悪くはないと思われます。
おフランスっぽくスカした演出が多いし、そこそこカネもかかってます。
逆に、それが余計に腹立たしいんですけどね。





↑問題はこのタイトルとジャケットですよ。
こんなの誰がどう見てもゾンビたちがゾンビの頭をボール代わりにサッカーする映画なんだと期待するしかないじゃないですか。

でも、やらないんですよ。

ダラダラ長いだけのただのありがちなゾンビ映画に過ぎないんです。


しかもこれただ長いだけじゃなく「前半戦」「後半戦」の2本立てなんですよ。何が
「地獄の感染ドリブル編」
だよ。しょうもない家族のイザコザばかり映すくせに無駄に面白そうなタイトルつけやがって!

もともと長い映画はキライだから前半戦しか観る気なかったのに、ゾンビサッカーやってくれなかったから仕方なく後半戦も観ましたよ。

でも、後半戦でもほとんどやらねえんですよ。



…まあ一応、最後の最後にゾンビの頭をシュートするシーンが、刺身セットのタンポポのように申し訳程度に添えてありますが…たったそれだけ。

たったそれだけのために、2時間も時間を浪費させられたというのか!?
なんでもっとゾンビにサッカーをさせない?
なぜゾンビの頭でドリブルしない?
別に金がかかる映像でもないだろうが!


前後編商法は日本のマンガ原作映画ではよくあることですが、フランスのゾンビ映画では聞いたこともないです。しかもブルーレイまで発売されてるとか正気の沙汰ではない。そのうえ劇場公開までしていたって話は本当なんですかね? 一体どんな超富裕層ならこんなしょうもない映画にそこまでの金と時間を浪費することが出来るのか、想像もできません。ゾンビサッカーしないとしても、80分くらいに編集すればまだ結構まともなゾンビ映画になると思うんですがね。

ということで、金とヒマを持て余している超富裕層の方にオススメしておきます。

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