概要
原題:THE LONG WALK
製作:2025年アメリカ
配給:クロックワークス
監督:フランシス・ローレンス
出演:クーパー・ホフマン/デヴィッド・ジョンソン/マーク・ハミル/ギャレット・ウェアリング/トゥット・ニュオット/チャーリー・プラマー
全体主義的な軍事政権が支配するようになった近未来のアメリカ。愛国心と経済を刺激するため、毎年「ロングウォーク」というデスゲームイベントが開催されていた。それは選ばれた50人の少年が、最後のひとりになるまでひたすら不眠不休で歩き続けるというものだった。
予告編
感想
キングのデスゲーム小説「死のロングウォーク」の初映画化作品。
小説版を読んだのは20年以上前なのでもう忘れてますが、その分新鮮な気持ちで鑑賞してきました。しかし先週公開されたばかりなのに既に1日1回(しかも夜10時)の上映しかなくてちょっとキツかったです。トイストーリー5は20回も上映してるのにこの格差は一体…。
内容は非常にシンプルで、50人の少年たちが軍人に監視されながらひたすら歩くというもの。そんなことして国威発揚とか経済に影響とか本当にあるのか?とは思うけど、これは人生の縮図を描くための設定ってことであまり気にしない方が良さそう。多分取り締まりが厳しすぎてろくな娯楽がないのでしょう。
デスゲーム物の始祖的作品ですが、駆け引きとか攻略法とか抜け道は何もなく、本当にただただ歩いているだけなのでやっぱり映像化するとものすごく地味な印象ではあります。どちらかと言えばヒューマンドラマとしての湿度が高く、その面では楽しめました。
速度が時速4.8km以下になると警告を受け、それが3回累積されると射殺されてしまう(1時間警告なしで歩けばリセット)。…なんですが、時速4.8kmって結構速いと思うんですよね。私ならおそらく5~6時間が限度、たとえ本気で命を削って歩いたとしても24時間持たない自信があります。先日16.6km歩いただけでも斃れそうになってましたからね。
そういえば小便大便をしたくなったらどうするの? 休憩タイムとかあるの? と思ったら歩きながら放尿し、大急ぎでしゃがんで実を出す。これは難易度が高い。序盤、お腹を壊して下痢便を断続的に放出しながら射殺された哀しき少年がいましたが、私も参加してたらおそらくあんな感じで終わってたと考えられます。この競技において最大の敵は腹具合です。なのであの下痢便小僧を笑ってはいけない。誰でも人生において一度は致命的なタイミングでお腹を壊す時があるんです。まだない人はこれから来ると思っていた方が良いかもしれません。
ただ歩くだけなので基本は会話で間を持たせる流れ。ライバルを蹴落として何が何でも自分だけは生き残ろう…なんてエゴを出す人物はひとりもおらず、大体みんな仲良しこよし。ゆったり進む極限状況で育まれる麗しき友情。それだけに何がどうあってもひとりしか生き残れない設定が、次第に心に重くのしかかってくる。デスゲーム物は大抵途中から運営との戦いになったり何らかの抜け道を探す話になってゲーム自体は崩壊しがちなので、ちゃんと当初のルール通り完遂する作品は逆に珍しく、それだけで好感が持てます。派手さはなくともじんわりと重く、良い作品でした。
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