「エレベーション 絶滅ライン」 感想 高い所はムリなんです

概要

原題:ELEVATION

製作:2024年アメリカ

配給:アットエンタテイメント

監督:ジョージ・ノルフィ

出演:アンソニー・マッキー/モリーナ・バッカリン/マディー・ハッソン/ダニー・ボイド・Jr.


3年前、謎のモンスター群が突如出現。人類の大半が駆逐されてしまった。だが、そのモンスターは標高2500メートル以上には上がれない弱点があり、残った人類は高地で細々と生活していた。そんなある集落で暮らしていたウィルは、喘息持ちの息子のために薬を手に入れようと山を下る決意をする。


予告編

感想



独特なルールを持つ怪物たちと人類の戦いを描くモンスターパニック映画。

「クワイエット・プレイス」のプロデューサーが製作した作品とのことで、確かにあれとかなり似通った味わい。というかもろに二番煎じ。



それでも映像やモンスターの質感は劇場公開クオリティだし、登場人物は最小限ながらなかなか派手な戦闘を繰り広げるのでそれなりに楽しめました。特にここがスゴイ!っていう売りは何もなくダシガラ感は拭えないものの、真面目に手堅く作られていたとは思います。



ただ2500メートルのラインをキッチリ守るモンスターには首をかしげてしまいます。そこに一体何があるのか。それを超えたらどうなるのか。人類はその点についてどういう考察をしているのか。それについての明確な回答はなく、ラストでちょろっと触れられただけで何も分からないまま終わってしまう。



この手のモンスターを造るなら、そこは真っ先に理由付けしてほしいポイントなんですよね。別にオカルトでもSF的な理由でもテキトーな理屈でも何でもいいから2500メートルという数字に何か必然性があってほしい。



人類側の描写にしても、それだけの高地で生活する苦労をもっと具体的に描写してくれていれば、単なるモンパニに留まらない個性が出たんじゃないかと思うんですよね。そこで生きられるというのはあれだけ強靭なモンスターよりも人類の身体能力が勝っている唯一のポイントなわけで。私は大雪山旭岳7合目(1900メートルくらい)が限界なので速攻で駆逐される側ですが。



モンスターの餌食になってしまうのがたったのひとりしかいないっていうのも何だか食い足りない。血肉は見えないし、ずいぶん上品なモンスターパニックだなあと。3人パーティで山を下る前に、噛ませ犬的なチームが先行して全滅するくらいの前フリがあっても良かったんじゃないかなと思いました。





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