概要
製作:?年日本
発売:フォワード
監督:深沢真一
出演:深沢真一/野坂麻子/甲斐雅啓
定職に就かずひたすら筋肉を鍛えていた直人の元に、かつての恋人・美香が訪ねてくる。今は空き家となった直人の父の家で心霊写真が撮れたので取材したいというのだ。霊能力者を連れてその家を訪れた直人たち。だが、そこにいたのは途方もなく強力な怨念を抱いた悪霊だった。
予告編
感想
画質が非常に粗く、製作期間が15年にも及んだこともあり一体いつの作品なんだかよく分からなかった自主製作ホラー映画。何も知らずに観たら70年代物だと思ってもおかしくないし、私も1995年製だと思って観てましたが、後で調べたらリリースは2012年ぐらいだった模様。
これもlettuce702のZ級映画会で鑑賞しました。
確かに予算規模的にはZ級オーラがむんむんなんですが、内容は無茶苦茶面白いです。尺はたったの62分しかない。…ちょっと前に「60分台の映画は99.99%クソ」と言った気がしますが、これは15年かけて醸成・凝縮された62分なので0.01%の例外になれたようです。内容は心霊スポットと化した廃屋にやってきた無職の痛いマッチョ(直人)が、そこに現れた悪霊ゾンビと激しく戦う話。
今まで邦画は避けてきたとはいえタイトルだけは何となく小耳に挟んだことがあったんですが、てっきりマッチョなシリアルキラーが暴れる物理ホラーだとばかり思い込んでいたので(「地獄の警備員」と混同していた)、中盤までは結構シリアスな心霊ホラーだったことに驚きました。雰囲気のある廃屋が舞台で映像が極めて粗いせいもあり、意外と真面目に怖いシーンもある。直人の背後から白い手が出るところとか。
そのままJホラー路線で最後までいってたらそれはそれで隠れた名作になれてたような気がしないでもないんですが、タイトルがタイトルなのでそうはいかない。
「俺の武器は…銃なんかじゃねえ!」
筋肉なんだ!!
…とは言わず、そこでバーベルやダンベルが大写しになるのが笑ってしまう。まあ筋肉がなければああも軽々とバーベルをぶん回すことなどできっこないので「筋肉なんだ!!」ってことでいいのか。
ただの痛い無職だった直人が服を脱いでマッスルビルダーと化してからは狭い廃屋が地獄の血みどろスプラッター会場に!千切れた足に連続蹴りされたり、後頭部を刺して目が飛び出したり、やってることは超グロいのに全くそうは感じさせないこの手作り感がたまりません。
ただこの廃屋、本当にめちゃくちゃ狭いんですよね。本当にこんな狭い家で最後までいくのか?とずっと疑っていたくらいです。銃とか斧とかを投げて渡すシーンが何度かありましたが、全く投げる必要を感じませんでしたからね。普通に手渡しできただろと。しかしそんなハンデをものともせず悪霊ゾンビとボクシングしたり、バーベル棒術で立ち向かったりと途方もなく派手なアクションで魅せてくれる。色々と規格外で素晴らしいZ級映画だったなと思います。
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買うならプレミアがついてる国内版よりも海外版ブルーレイの方が良さそう。というか日本より海外の方でウケてるんですね。
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