「大長編タローマン 万博大爆発」…を観てきた 

概要

製作:1970年日本

配給:アスミック・エース

監督:藤井亮

出演:タローマン/太陽の塔/地底の太陽/水差し男爵/山口一郎

あらすじ:なんだこれは


予告編

感想のようなもの



この「タローマン」とかいう謎の巨人についてはSNSのタイムラインに時々表示されてたので一応認識はしていました。が、詳細については全然知らなかったんですよね。そもそも正式な作品として存在するモノなのか、それとも単なるウルトラマンタロウのパロディ的なネットミームなのかすら分かってませんでした。でもどちらかと言えば後者だと思ってたな…



なので自分には縁のないものとしか思ってなかったんですが、今回は妙な成り行きでうっかり目撃することになりました。



その経緯としては、まず8/31に札幌シネマフロンティアで朝8時の回に「子鹿のゾンビ」を観に行った際、たまたま知り合いのバーの店長が常連客の方と一緒に来ていたんですね。4日前に会ったばかりなのに。



仮にも190万都市でそんな偶然が起こるのはもうクソ映画マニアはクソ映画マニアと引かれ合うとしか言いようがない。しかも彼らは「子鹿」の後に「タローマン」もハシゴして観るけどどうですか?というので、それならせっかくだからとデスクリムゾン的な動機で同行したわけです。



その「タローマン」は8/22上映開始なのにすでに1日1回しかやらなくなっていたので、さほど一般人気はなくよっぽどマニア向けの映画なんだろうな…と思ってたら、意外にも劇場は大盛況。お子様からカップルまで幅広い層が詰めかけていました。それならせめて日曜ぐらい複数回上映すればいいのに。



が、実際観てみたら内容の方はマジでべらぼうにでたらめ極まりなく、全く意味が分かりません。これは確かに複数回上映できない代物かも。岡本太郎の「太陽の塔」をモチーフにしたタローマンなる特撮巨人が万博を襲撃してくる謎の岡本奇獣と戦うようなそうでもないような感じで地球防衛軍と未来の万博へ行くみたいな変な話なんだけど、あまりにも変すぎて何が何だかあっけにとられるばかりでした。



そもそも岡本太郎のこともそんなに知らないんですが、「芸術は爆発だ」というあの有名な言葉はこういう感じの意味だったんですかね。今更ながら何だか岡本太郎に興味が湧いてきました。



それにしても冒頭から変な方向にアクセル全開すぎるので、そのうち落ち着くだろうと思っていたらその勢いが一切緩むことなく置いて行かれたまま105分走り切られたのには驚きました。わけわからんにもほどがある。



しいていえば「チャージマン研」を見ている時の感覚に近いものがあったかな…。70年代SF風のノリですしね。とはいえこの映画に比べればまだチャー研の方がいくらか理解可能な部類です。



そういえば同行者(2度目の鑑賞だとか)に事前にあるお手製アイテムを渡されていたので、一体いつ使うのかなと思ってたら、終盤でいきなり劇中の人物に使用を促されるという途方もない珍場面が発生してまた驚きました。あれは周囲の客も戸惑ってましたね。「え?そんなんあるの!?もらってないけど!?」って感じで。しかもすぐ終わるし。リピーター獲得戦略にしては異常にレベルが高い。



観終わった後に上記のような感想を話したら「テレビシリーズも何も知らない人が予備知識ゼロで観たんならそうなってもしょうがないよね」と言われましたが、果たしてそういう問題なのか甚だしく疑問ではあります。



ここまで異常なほどわけのわからない映画であれば、生前の岡本太郎が見たとしても「なんだこれは」と言ってくれたんじゃないかな。全然わからんけど、なんとなくそんな風に思いました。




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