「ロケット・ハンター」 感想 リモートコントロール・スカイ・アクション

概要

原題:ROCKET HUNTER

製作:2020年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:クリストファー・フォーブス

出演:ブラッド・オーウェンズ/ボブ・ヤング/ロナルド・ブラントン


幼い日の思い出と、愛する人たちへの想いを胸に、戦い続ける男たちの勇気と誇り、すべての善人が国を救う時が来た!第二次世界大戦末期の1945年1月、V2ロケットを大量生産するドイツ軍の地下軍需工場をターゲットとする連合軍の命令に従い、米軍パイロット兄弟が任務の遂行に当たる。幼い頃に見た映画に感銘を受けてパイロットになった兄弟の絆と大空への憧れ。兄は故郷で自分を待つ妻子に想いを馳せ、弟は危険なミッションに勇気と誇りを持って挑む。数々のスリリングなスカイ・アクションに、エモーショナルかつノスタルジックな要素が随所に挟み込まれた戦争アクション!

(↑アマゾンより)

予告編

感想



第二次世界大戦中のドイツのロケット工場を攻撃しにいく兄弟を描いたミリタリー・スカイ・アクション・謎映画。299円。itn distribution。



最初に言っておくと、途方もなく酷いクオリティです。一応戦争映画のはずなのに、9割方は座ってしゃべってるだけです。たまに立ってしゃべってる時もありますが。カメラはほぼ固定だし、出演者の演技力も壊滅的。



試しに今imdbをチェックしてみたところ、54件のレビューがあり、平均点は10点満点中1.4点でした。最新のレビューの冒頭をここに引用してみます。




この人が特別辛辣なんじゃなくてほぼ全員こんな感じっていうね…



まあしかし戦闘機はラジコンを飛ばしているだけだし、操縦席の背もたれ?は発砲スチロールにしか見えないし、フライトジャケットもありあわせの材料でこしらえた感強いし、鉄道は模型だし、乗ってる兄弟は背景をめちゃくちゃ雑に合成している。ここまで何もかもあからさまにテキトーなZ級映画も久しぶりです。



あんまり酷いし退屈なんでツイッターでミリタリー好きの人と雑談しながら観てたんですが、メッサーシュミットMe262とV2ロケットを狩りに行くというあらすじは初期の「メダル・オブ・オナー」に似ている話らしいです。私は名前しか知らないんでアレですが。最後に出てきた謎のずんぐり戦闘機が史上唯一実用化されたロケット推進戦闘機メッサーシュミットMe163だったと知れたのは勉強になりました。@mamimamistanさんありがとうございます。




兄弟による実務よりも全体的に司令部的なところで偉い人が戦略を話し合っているシーンが多く、当時の資料映像を交えて史実を語ったりするので、スカイアクションを求める人よりはミリタリーファンによるミリタリーファンのための戦争おたく映画かなという印象を受けました。兄弟がミッションを遂行した段階でまだ残り20分ぐらいあったのであと何やるのかな?と思ってたらえらい人達が延々15分くらいしゃべってからエンドロール。だいぶ歪な構成です。



ラジコンによるスカイ・アクションシーンはほんのちょっとしかないし、どっかのおばさんとゲッベルスが怪しげな会合を開いて

「シェイクスピアの精神を英国人は理解していない」

だのなんだの言われてもほとんど話が頭に入ってこないんですよね。私もゲッベルスが言う一般的英国人と同レベルということでしょうか。



カメラほぼ固定で人の顔のアップばかりという単調さは非常に気になるんですが、一か所だけ家族で食事をとる場面でカメラが動くんですよ。しかし無駄にグラグラフラフラしているだけで下手なホームビデオよりも圧倒的に酷いというね。素人が撮る場合、カメラは固定しておいた方がましということがよく分かりました。



「ロケット・ハンター」(Amazon Prime Video)



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