「ロスト・フライト」 感想 世界最悪の島へ不時着

概要

原題:PLANE

製作:2023年イギリス・アメリカ

配給:ポニーキャニオン

監督:ジャン=フランソワ・リシェ

出演:ジェラルド・バトラー/マイク・コルター/トニー・ゴールドウィン/ヨソン・アン


一般客に混じって殺人犯を護送していた東京行きブレイザー119便は、フィリピン上空で悪天候に巻き込まれ、電源を喪失してしまう。機長のトランスは犠牲者を出しながらもどうにか陸地に不時着することに成功する。だが、そこは狂暴な反政府ゲリラたちが牛耳る無法地帯だった…


予告編

感想



ジェラルド・バトラー主演の新作アクション映画。

客入りは悪くない感じでしたが、私の周りはおじいちゃんだらけで仁丹臭漂うシルバー空間になっていました。



内容的には、こういのでいいんだよオブザイヤー受賞疑いなしの好感触ド直球。何のひねりも飛び道具もないし人間ドラマも驚くほどあっさりしているけども、絶望的な状況下での暑苦しいアクションは世の中高年男性にとっては必須栄養素です。



この手のアクション映画は本来月イチペースでの摂取が推奨されますが、残念ながら近年では衰退の一途を辿っています。昔は胸やけするほど供給されていた気がするんですがね。DVDスルー配信スルーならまだないこともないけどショボすぎるともう別種の作品になってしまうし、爆発ドンパチはやはり劇場での鑑賞が望ましいところです。



旅客機が不時着したらそこはフィリピン南東のホロ島で、反政府ゲリラの支配する無法地帯だった…という話。平和ボケした乗客たちが拉致られて人質として監禁されるくだりはちょっと「ランボー 最後の戦場」でのミャンマー軍事政権を思い出しましたが、フィリピンにもまだあんな蛮族が横行闊歩しているとは知りませんでしたね。



しかしフィリピンの政治家が本作に対し風評被害を懸念すると表明したことであちらでは上映自粛となったそうですが、実際のホロ島はそこまで物騒ではないんでしょうかね。アメリカ人も適当な悪役を探すの大変ですな。



機長役のジェラルド・バトラーが今回は護送中の殺人犯ガスパールと組むという設定。私はこういう呉越同舟な人間模様を組み込んだアクション映画が好きなんですよね。「要塞警察」とかね。そういえば監督はリメイク版「要塞警察」の人なので気が合うかもしれません。



…とはいえ、ガスパールの背景は必要最低限しか明かされないうえにわりと早々に善玉化してしまうのでそっち方面での緊張感はやや薄く拍子抜けか。序盤でもう少しやばい奴感を出しても良かったかも。殺人犯のくせに武装ゲリラ団相手に単身突撃しようとするジェラルド・バトラーを必死で止めるなど、ただの心強い常識人にしか見えない。



ただ、そのおかげもあってジェラルド・バトラーがそこまで超人的にはならず、ゲリラとの戦闘は他にまかせて自分は機長としての仕事を全うする…というバランスで収まっていたのは良かったと思います。まあ武装ゲリラ団に単身突撃するのもそれはそれで面白いだろうけども、地に足の着いた手堅い王道アクションスリラーとして非常に楽しめる良い作品でした。





コメント