「ヘル・レイザー(2022)」 感想 ピンヘッドのピン全部抜きたい

概要

原題:Hellraiser

製作:2022年アメリカ・セルビア

配信:Paramount Pictures

監督:デヴィッド・ブルックナー

出演:オデッサ・アジオン/ジェイミー・クレイトン/アダム・フェイソン/ドリュー・スターキー/ブランドン・フリン/ヒアム・アッバス


アルコール依存症の女性ライリーは、恋人のトレバーにそそのかされて倉庫から奇妙な美術品を盗み出す。だが、それは解いた者に究極の快楽を与えるという伝説のパズルボックスだった。


予告編

感想



1987年のイギリスの有名ホラー映画のリブート作。


初代と2作目は観たことがありますが、かなり昔のことなのでピンヘッドとパズルボックスのこと以外はほとんど忘れました。ブルーレイが出た時(10年くらい前?)に買って見直したはずだけど、それでもどんな話だったかは忘れた。ピンヘッドを始めとするセノバイトたちが何かすごい荘厳な雰囲気を漂わせているものの、ストーリー自体は意外と小ぢんまりとして低俗な感じだったような印象。



ということでこのシリーズにさほど思い入れのない人間からすると、本作はわりと楽しめる部類のリブートでした。



内容は、アル中でビッチでどうしようもない女の子ライリーが恋人の誘いに乗ってある倉庫からパズルボックスを盗み出してしまい、途方もなくえらい目に…というもの。



と言っても、途方もなくえらい目に遭うのはライリー自身ではなくその周りの善良な人々なのですげえ理不尽で胸糞悪いし、自己中なライリーにはヘイトがたまります。あの兄貴がかわいそうすぎて…。盗んだパズルボックスの扱いに困って持ち主に説明を求めに行き、取られそうになったら「返せ!」と怒るくだりはさすがにどうかと思いました。終盤までいけばその辺も仕方なかったと思えるものの、なんせ121分もあるので…



かっこいい造形と変形を見せ、時にシャキィンと刃物が飛び出すパズルボックス。このアイテムの謎を追う展開はシリーズ完全初見であればかなり興味をそそられるのではと思いますが、中途半端にその辺のネタだけは覚えているので前半は冗長な印象を受けました。というか今さら何も知らずに観る人もあまりいないか。



パズルボックスを解いてイケニエの血を吸わせると地獄の魔導士(セノバイト)たちが現れ、究極の快楽=苦痛を与えてくれる。この設定はやっぱり魅力的だし、首から上にピンが刺さりまくったピンヘッド様は令和の今見てもインパクト抜群です。ただ、旧作との差別化を図るためか性別が女性に変更されており、何かちょっと柔和な雰囲気になってるような気がしないでもない。



しかし本作の見所はやはりそのピンヘッド様のエクストリームな拷問描写です。自分の頭に刺さったピン(思ってたよりめちゃくちゃ長い)をおもむろに抜き取り、ライリーの哀れな友人の首に突き刺すシーンが特に凄い。いや、ただピンを刺すだけならどうということはないんですが、本作の場合わざわざ喉を内側から映してピンが貫通する様をじっくり魅せてくれるっていう。ゴア描写を内部から…その発想はなかった。



究極の快楽を得たはずの貪欲な富豪の姿もかなりのインパクト。仕組みはよくわからんけど途方もなく禍々しい機械とドッキングさせられており、死ぬに死ねない状態で夢に出てきそうなほど痛そうです。全体像が映ると何か滑稽な感じもありますが。



ストーリーには特に感じ入るものはなかったせいか散漫な感想文になってしまいましたが、ビジュアル的には優れたホラー映画かと思いました。ただ尺が121分もあるのはやっぱりあまりにも長すぎるので、せめて100分程度に詰めてほしかったところです。



「ヘル・レイザー(2022)」(Amazon Prime Video)




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