「ダーク・ハーヴェスト」 感想 バーバリアンたちの奇祭

概要

原題:DARK HARVEST

製作:2023年アメリカ

配信:Metro Goldwyn Mayer

監督:デビッド・スレイド

出演:ケイシー・ライクス/エミリ・クラッチフィールド/ダスティン・セイサマー/アレハンドロ・アカラ


1963年のハロウィン。その呪われた町では、年に一度ソートゥースと呼ばれる化け物を村の若者が総出で狩る風習があった。ソートゥースを仕留めた者は賞金や車、そして町を出る権利を与えられ英雄視されるのだ。前年に兄が勝者となったリッチーは、自分が兄に劣らない存在であることを証明するため、その必要もないのに勇んでソートゥース狩りに参加するが…


予告編

感想



素っ気ないサムネとタイトルのフォントでいつもの謎映画かと思いきや、普通に劇場公開クオリティだった作品。

アマプラは一体何をやっているのか。



1963年のアメリカのどこかの片田舎を舞台に、町の若者総出で化け物狩りイベントが行われる…という、いかにもモダンホラー的なお話。かと思いきや案外そうでもなく、最初から最後までかなり現実離れしているので何かアメリカの田舎に対する社会批判を込めた寓話のような気がします。何を批判しているのかはよく分からないので何となくそんな気がするだけですが。若者が都会に出て行くことを許さない閉鎖的な田舎ってクソだよね、ってだけかもしれません。



化け物の正体だけはもう速攻で察しが付いてしまうので、あとはどうしてそんな奇祭を毎年開催しているのか?という一点のみで引っ張られるわけですが、結局そこんところは最後まで思わせぶりに曖昧な話しかせずに終わるので結構モヤモヤします。「そんなことを知って今さらどうなる!」とかごまかしてないでゲロってちょうだいよ。別にどうもしないけど知りたいんですよ。



ストーリー的にはそんな感じですが、本作の主役”ソートゥース”の暴れっぷりはなかなか派手でモンスターパニック的には充分楽しめます。見た目はヒョロいパンプキンヘッドといった趣きであまり強そうではないわりには獲物の胴体や頭をスパスパ裂きまくり。エグイながらもサッパリ爽快なやり口で厭な気分にはなりません。倉庫から派手に噴き出す血液にもむしろ清潔感を感じます。



年に一度のソートゥース狩り祭にいきり立ちまくった町民たちは異常に興奮して強盗殺人でも何でもやりたい放題。渋谷の例といい、どうしてハロウィンの夜はこうも著しく住人の民度を下げるのか。たった一匹の化け物よりも実はこのバーバリアンどもの方がよほど恐ろしい。もしかすると荒ぶる町民のストレス発散のために、化け物と称した生け贄を毎年用意していたという話だったのかな…と思いました。



「ダーク・ハーヴェスト」(Amazon Prime Video)


コメント

匿名 さんのコメント…
「だが真実を知ったリッチーはショックを受け~」

今年上映で予算もそこそこであろう映像づくりや
あらすじ読んだだけで誰もが察するオチはともかく、
最後の最後に蘇生させたとこだけは良かったかな…

真面に生きてる子が割りを食うなんて胸糞悪いだけなので、
願わくば復讐の始まりを見せてほしかったです
岩石入道 さんの投稿…
>2023年10月31日 15:48の匿名さん

蘇生と言ってもアレですからね、既定路線というか何というか。
あの後は街が焼き尽くされて全て終わるんじゃないかと。
続編があるなら復讐編になりそうですが…