「65/シックスティ・ファイブ」 感想 カネをかけたアサイラム

概要

原題:65

製作:2023年アメリカ

配信:ソニー・ピクチャーズ

監督:スコット・ベック/ブライアン・ウッズ

出演:アダム・ドライバー/アリアナ・グリーンブラット


宇宙人のミルズは長い宇宙探査ミッションの中、小惑星群と衝突。宇宙船が損傷してわけのわからない惑星に不時着してしまう。そこは6500万年前の地球だった。生存者はミルズの他に言葉の通じない9歳の少女ひとりだけ。彼らは恐竜が跋扈する太古の地球から脱出することができるのか。


予告編

感想



ついこの前劇場で予告編を観たなあと思ってたらいつの間にか配信落ちしていたSF映画。まだ公開終了から2か月くらいしか経ってないような気が…



予告編の時から気になってはいたものの、劇場公開時は他に観たい作品が渋滞していたので仕方なくスルーしました。が、これはうっかり劇場で観ていたら呆れて途中退席してたんじゃないかなというほど空虚な作品でした。



一体何が起こればこんな企画にこれほどの予算が通ってしまうのか不思議でなりません。もう頭からケツまでダルくて仕方ないです。アサイラムがいつも適当に乱造しているジャンク映画と大して変わらないかそれ以下のレベル。普段から低予算映画ばかり観ているので、たまに金をかけた映画を観ると大体何でも面白く感じてしまう貧乏舌の私でもこれは何の栄養にもならないと言わざるを得ない。



そもそもこのタイトルも何なんですかね。数字にいちいちカタカナを付けないと読めないとでも思っているのか。「65」だけじゃ素っ気ないからというなら「ジュラシック・エイリアン65」とかそんな感じの邦題にしておけば済むのではないか。



てっきり未来の人類が6500万年前の地球にタイムスリップしてくる話だと思ってたら、そうではなく惑星ソマリスとやらの宇宙人が地球に不時着してくるという導入。ユニークと言えばユニークですが、ソマリス人には特に宇宙人ぽい要素が何一つなく、地球人とまるで区別がつかない。外見も、文明・文化的にも。これはいかがなものか。例えばひたいから紫色の触角が生えているとか、横に歩く習性があるとか、耳から物を食べるとか、何でもいいから何か特徴を持たせるべきだと思います。何もないなら別に地球人でいいんじゃないのかと。



予告編の時はいかにもアトラクション的なSFアクション・ジュラシック大作のようでしたが、恐竜の出番はかなり少なく、どちらかと言えば言葉が通じない小娘との絆的なドラマの方に重点が置かれていた印象。そういうのが好きな人は楽しめるかもしれません。私的には眠くて眠くてたまりませんでした。宇宙人にそんなことされてもなんか乗れないしなあ…。



多少印象に残った点も挙げておきます。まず木登りをしていたミルズの手にサソリが張り付き、驚いて落っこちる場面。あと、女の子の口の中にタイノエみたいなキモい虫が入り込んだ場面、あとミルズが底なし沼にハマってしまった場面。そこら辺は、まあ恐竜や隕石が云々しているシーンよりも多少はスリリングであったかなと思います。



「65/シックスティ・ファイブ」(Amazon Prime Video)



コメント