「カタコンブ 地下墓地の秘密」 感想 だしを取った後の昆布のような

概要

原題:Deep Fear

製作:2022年ベルギー・フランス

発売:アルバトロス

監督:グレゴリー・ベギン

出演:ソフィア・ルサーフル/ヴィクトール・ムーテレ/ジョゼフ・オリヴェンヌ/カシム・ミースターズ


ソニアと友人たちは、フランスの地下に広がる世界最大の地下墓地”カタコンブ”を観光することに。だが、案内人は彼らを禁止区域にまで誘う。その道中、ヤバげなスキンヘッドの一団に絡まれてしまう。何とか逃げ切るものの、迷い込んだ先には謎のゾンビ犬やアレの残党が人肉を求めて彷徨っていた…


予告編

感想





広大な地下墓地を探検していたらそこには人間を喰らうやべえ奴らが!というベルギー&フランスのホラー。



だいぶ前に観た「アーバン・エクスプローラー」とほとんど同じような内容ながらも、出来はあちらよりかなり劣っているかなと。ダシガラ昆布を再利用したけど上手くいかなかった料理のような感じ。本作はエンジンかかるのが1時間を過ぎてからといくら何でも遅すぎるし、スプラッターは頑張っているもののそこまで印象には残らない。「アーバン~」はシャツを脱がすシーンと塩を擦り込むところがインパクトあり過ぎましたからね。



本作中で印象に残る場面といえば、やはり地下でスキンヘッドの一団に絡まれるところでしょうか。主人公ソニアは銃を突き付けて身を守ろうとするが、怒りのあまりかスキンヘッドたちの上着を脱がせて集め、友人の男に「お前それに小便かけろ」と実に無茶な指令を出します。



私は公衆トイレなどで小便をする時、後ろで待たれていると絶対確実に出ないんですよね。それどころか両隣に人がいるだけで意味もなくプレッシャーを感じて出なかったりするほどです。なるべくそうならないように一番端っこでするなり個室に入ってしまうなりしていますが、子供の頃はなかなかそれもできず苦しんだ覚えがあります。



そんなデリケートな人間からすると、悪意を持ったチンピラ集団を目の前にして彼らの上着に、しかも背後ではいきり立った女の子が銃を構えているなどという緊迫感ありまくりのシチュエーションでバッチリ放尿できる膀胱の性能がうらやましくて仕方がない。



我ながらえらくしょうもない文章書いてるなと思いますが、この映画は1時間くらい経つまではそれくらいしか面白いことが起きないので仕方ないんです。終盤はトラバサミ等のトラップ地獄が出現したり、謎のゾンビ犬が徘徊してたり、アレの残党が人肉を喰らってたりとそれなりの見所はあります。特に被害者の血肉と骨が散乱する部屋でネズミがチョロチョロしているシーンの臭い立つ嫌な雰囲気はかなり好き。せっかくあそこまで作り込んでおいてごく短時間しか見せないのはもったいない。どうせなら仲間の一人が捕らえられ、あそこに連れ込まれて酷い目に遭わされるようなシーンがあると良かったですね。



ラストは「THEM ゼム/正体不明」を思い出しました。ほとんど同じですよね。フランス人はああいうオチが好みなのかな。

というかこれ予告編で大体の見所も敵の正体もラストも全部見せちゃってますね。そうしないと予告編作れないくらい素材がなかったということか…



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