「アポカリプス 宇宙終焉」 感想 哲学的ハードSFオムニバス

概要

原題:Tales from Apocalypse

製作:2022年アメリカ

発売:アドニスSQ(アメイジングD.C.)

監督:デイモン・ダンカン/ウィリアム・ヘルムース

出演:ジャオ・シュー/ジャクリーン・ジョー/ケイト・シモンズ/ステフ・バークレー


最新のAI開発者、スティーヴィン博士はソニアという少女型のAIを創造し、ソニアに四次元で未来を見てくるよう任務を与えた。四次元に送り込まれたソニアは、想像を絶するある事実を知ってしまう。地球は終末を迎え、生き残るために日々戦う孤独な女性。火星への植民地化が進むも、外は危険な環境のため地下で自由なき生活を送る若者。更に、宇宙船では命を救う医療処理のシステム障害が起こるなど宇宙のあらゆる場所で終焉と闘う人々の未来が待っていたのだった。四次元から戻ったソニアが終焉の未来を阻止するために決断したこととは…


(↑アメイジングD.C.公式サイトより)


予告編

感想





地・球・焼・滅 の次は 宇・宙・終・焉。

中身は配給会社が言うような「SFアクションアドベンチャー」って雰囲気では全くありませんでしたが、まあ何とか想定の範囲内とは言えます。



が、短編5つからなるオムニバス作品というのはさすがに想定外。どうも低予算SFオムニバスには良い思い出がなくていけねえ。「アルマゲドン・サーガ」とか、「ターミネーション」とか…ウゥ…ウゥ…アァ…



……実際のところ、方向性としてはそれらに近いものだったのではないかと思います。私が真面目に観ていたのは3つ目の話までなので断言はできませんが、各話に繋がりらしい繋がりはなく独立しているようだったし、エンタメ要素は希薄でした。しかし予告編の作り方が異常に上手いですね、普通に娯楽大作のように見えちゃいますよこれ。



鬱々淡々と高尚な雰囲気を気取っているので宇宙崩壊のスペクタクルを期待して観る向きには相当厳しい。それでも1話目と2話目はまだそこまで難解でもなく、ありがちながらもどんでん返し的なオチも一応用意してあるので、そこまで不親切な内容でもないです。



3話目は全然セリフが無くて薄味。滅亡した地球を舞台に生き残りの女性が化け物に遭遇する話で、テンション高めの劇伴でスリルを煽ってくれるのでそこまで悪くはない。まあ、これからってとこで終わってしまうので盛り上がるほどでもない。



4話目までいくともう私の精神的スタミナが尽きてしまったのであまり把握してません。火星に移住した人類が強制的にマッチングアプリで納得いかない人間と効率的に結婚させられる的な悲恋話だったような気がします。こう書くと面白そうに見えますが、ダルすぎて私には無理でした。



5話目は本作のキモのようで、4次元に送り込まれたアンドロイドが人類滅亡の未来を知って何とかしようとする話。こう書くと面白そうに見えますが、実際は宇宙の不均衡が道(タオ)で云々だ何だとわけのわからん観念的な話ばかりしており、寝てしまいました。公式のあらすじを読む限りではこのアンドロイドの観た未来がそれまでの4話だったということのようです。それならこのアンドロイドの話を冒頭と結末に分けて配置すればもう少し入り込みやすかったんじゃないかなと思いました。



「アポカリプス 宇宙終焉」(Amazon Prime Video)


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