「ジェイズ・アサイラム」 感想 植物性モンスター/樹液のしたたり

概要

原題:Demon inside me/Jade's Asylum

製作:2019年カナダ

配信:Green Light

監督:アレクサンドル・キャリエール

出演:モーガン・コーハン/セバスチャン・ピゴット/キヤルタン・ヒューイット


子ども時代のトラウマを抱えながら生きてきたジェイドは、金持ちのボーイフレンドとその友人たちに連れられて、コスタリカの邸宅に滞在している。セクシーな女性たちと酒とドラッグにまみれたパーティーはジェイドを追い詰めており、ボーイフレンドとも口論が尽きない。グループから孤立したジェイドは、徐々に亡き父の幻覚に悩まされるようになる。一方、邸宅のそばにあるジャングルでは全身から樹液を滴らせたボタニカルなクリーチャーたちが潜んでおり、次々と人間を惨殺している。ついに邸宅から追い出されたジェイドは、徒歩で空港に向かうことを決意する。亡き父に罵られながら、クリーチャーたちの猛攻から逃れることはできるのか。ジェイドの孤独な戦いが始まる。

(↑アマゾン商品ページより)

予告編

感想



アマプラはじめ各種動画サイトでひっそりと有料配信中のカナダ製ホラー映画。



これも…かなりキツイです。

1時間16分の間、頭を抱えて唸り声を漏らし続ける程度には苦しいというか「巫女のうた」よりよっぽどつらい。



2~3分ごとに場面が飛び、細切れに時系列が行ったり来たりする。

登場人物の顔と名前はなかなか一致しない。

内容が薄く、細切れの無駄話で尺を稼ぐ。

何がしたいのかはタイトルとあらすじを読めば何となく分かるが…。



あまりに面白くなさすぎるので、そもそも娯楽映画ではないのだと考えられます。それでは本作は何なのか。観た感じインディーズ映画であるのは察しがつきますが、まあ例によって「人間の内面の真実を描いた」というやつなんではないかと思います。意識高い系監督。時系列をいじり、現実と妄想を行ったり来たりしたがる。だからサイコホラーやモンスター映画のような娯楽系ジャンル映画ではないと言えます。



主人公ジェイドは父親に虐待されたトラウマを持ち、金持ちの彼氏とその仲間たちにも虐げられている。彼らのような悪くて強権的な男どもからの解放を描いている。観ている間、心が仮死状態だったのでよくわからんけどおそらくそんな感じでしょうたぶん。もちろん、私がアホで理解できてないだけで、すごく高尚な芸術作品という可能性もあります。



確かにコスタリカの森で、口から木の根っこみたいなのを生やした樹液怪人がワラワラ出てきてクソ野郎共のうるさいお口をちくちく縫ったり、足を切ったりといったホラー的な見せ場もなくはない。ドアップで誰かのどこかに何かを刺すシーンはなかなかグロい。何一つ具体的には分からんかったが。特殊効果的にはそこそこ手間をかけてる感はあります。やられる側の人間がどうでもいい奴すぎて何の感情も刺激されないだけです。ただ、長ーいエンドクレジットの間、ひたすらドアップで佇む樹液怪人の姿にだけは微笑が浮かびました。



また、森の中には世界三大奇虫のうち二種のヒヨケムシとサソリモドキを合体させたようなキモい虫が徘徊している描写があり、そいつが何かしてくれるのかなという期待感もあったのですが、特に何もなく終わってしまいました。何のために出したんだ。トリップ中の妄想として出してただけなのか。あれも結構手間がかかった仕事のように見えたけども。まあ私も所々で意識が飛んでたのでその間に何かあった可能性もありますが…



さっきから「手間をかけてる」と何度か書いてる通り、真面目に作ってはあると思うので養殖系クソ映画の部類ではないです。私はどちらかといえばクソ真面目なインディーズ映画よりは養殖でもクソ映画の方がまだ観たいので非常に苦しい思いをしましたが、こういうのが好きな人もいないことはないはずなので興味を持った方はぜひレンタルしてみてはいかがでしょうかと心にもないことを言っておきます。



「ジェイズ・アサイラム」(Amazon Prime Video)


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