「ブレイク ゾッとする少女」 感想 臭いものには蓋をしろ

概要

原題:The Wrong Nanny

製作:2017年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:クレイグ・ゴールドスミス

出演:リンジー・ハートリー/フレイヤ・ティングリー/ブロディ・フッツラー


双子の幼児を抱え、上流階級の催しイベントの準備などに大忙しのステラは、子守りのバイトを募集する。すぐに応募してきたブレイクという大学生をいたく気に入ったステラと夫は、彼女を雇い同居することに。だが、ブレイクの性根は歪んでおり、ストーキング癖を持っていた。そしてブレイクの正体は、ステラが19歳の時に産み、養子に出した実の子であった…


予告編

感想



TWA提供&ReelOne製作のいつものサスペンス劇場。

冷静に見るとかなりひどいけども、ここ最近はもっとひどいホラー映画を見まくっていたのでわりと楽しめました。例えるなら山で数日間遭難して帰ってきた後に食べる初めてのおかゆみたいな。



内容的にはマジでいつものReelOneのテンプレに沿った流れではあります。サイコで愛情に飢えた子守りが身分を偽って善良で裕福な一般家庭に入り込み、奥さんに執着しすぎて色々やらかすという話。同じ脚本を何度もアレンジして使い回しまくっているとしか思えません。



しかし、それでも本作には今までにないユニークなアレンジポイントがあります。それは本作のサイコ少女(20歳だけど)ブレイクがつきまとい、執着する対象が実の母親であるということです。未だかつて娘が実母にストーキングして危害を加えるサイコスリラーなどあっただろうか。つーかそんなことする必要があるのか。



ちなみにブレイクが実の娘だった…という事実はクライマックスで衝撃的に明かされているような気もしましたが、アマプラの紹介文に普通に書いてあるので気のせいだったようです。なので私も普通に書きます。



それにしても、なぜ母親のステラは若気の至りでクソ野郎との間に作っちゃった長女ブレイクを捨て、その後ちゃんとした旦那と作った双子は普通に育てようとしているのか。その辺についてはさも自分は(それほど)悪くない、あなたにいい暮らしをさせたかったのよ…最善を尽くしたのよ…という言い訳をしていましたが、まあ恨まれても仕方ないよなと思いました。要するにクソ野郎との間に生まれた出来の悪い子供など要らぬということでしょう。



恨みもあると言ってもブレイクは「家族として扱われたい」という願望を抱えてのストーキングなので、いつものReelOneサスペンスと違ってなんだか哀れです。そんな同情の余地を視聴者に見せておきながら、エンディングは結局いつもと全く同じっていうね。ブレイクは異常者として精神病院にぶち込まれ、ステラは他の愛する家族とこの上なく健康的に幸福に過ごしましたとさ。



脚本を使いまわしてるからこうなってるんだろうけど、実の母が娘に行う仕打ちとしては相当ひどいなと思いました。ステラ自身は母親との思い出をこの上なく大事にしてガン研究のチャリティーイベントを熱心にやってると思うとなおさらですよ。まあそんな感じで色々とアレでしたが、そのアレっぷりを楽しめる良いサスペンス劇場でした。



「ブレイク ゾッとする少女」(Amazon Prime Video)


コメント