「カエル女」 感想 3分前は人間だった!!

概要

原題:Bad Blood

製作:2016年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ティム・レイス

出演:メアリー・マロイ/トロイ・ハルヴァーソン/ヴィカス・アダム


母親の再婚相手やその息子とうまくいかず悩んでいた女子高生のヴィクトリア。彼女はある晩、家を抜け出して友人とパーティへ行こうとする。だが、途中立ち寄ったガソリンスタンドで謎のバケモノに襲われ、友人は首チョンパされヴィクトリアも重傷を負わされる。スタンドの店員に命を救われたものの、ヴィクトリアは満月の夜にカエル女に変身するようになってしまうのだった…


予告編

感想



全然カエルっぽくないカエル女のインパクトが鮮烈なモンスターホラー映画。



話は全然面白くないんですが、カエル女の造形はものすごく気合が入っていて良い感じです。手足の水かき以外にカエル要素ないけど。カエルなのになんで満月の夜に変身するのかよく分からないけど。人間の歯が全部抜け落ちて鋭いキバに生え変わるシーンなどは大変気持ち悪いうえに非常にリアルで素晴らしい。カエルに鋭いキバなんて生えてないだろと言いたいような気もするけど、この際気持ち悪いモンスターが観られれば何でもいいです。



また、スプラッター描写も大変勢いがあって素晴らしい。低予算なのにリアルな首チョンパが複数回拝めるし、なかなか痛そうで厭な気分になる人体損壊描写もモリモリ出てきます。デカい注射器を鼻に押し込むシーンもなかなか。それに本物みたいな質感の巨大なカエルも出てくるし、全体的に特殊効果係が非常に良い仕事をしている感があります。これだけでも本作は見る価値があると言えるんじゃないでしょうか。話はいまいちでも。



さらに、登場人物もかなりクセの強い奴ばかりで楽しい。主人公ヴィクトリアは普通の女子高生ですが、母親の再婚相手(と息子)がかなりキツイ。「俺たちに馴染めないだと?俺の息子は母親が4回も変わったんだぞ。お前も適応しろよ」などと抜かすDV親父です。どうでもいいけどこういうやばい奴と結婚してしまう女性が後を絶たないのはどうしてなんでしょうかね。



そんなDV親父の息子も当然のように夜中にチョコレートを喰らうクソガキ。まあチョコ喰う以外には何もしてませんでしたが。ヴィクトリアがカエル女に変身した時にDV親父が息子をスルーしてそそくさと逃げ出したのには笑いました。他にも出てくるたびにわけのわからん妄想を始める私立探偵といい、野球チーム「フロッグス」の執拗なネタといい、もしかしてコメディのつもりなのかな?と思える部分がポツリポツリとあります。その辺はどうも中途半端に感じますが。



ヴィクトリアがカエルモンスターに襲われて重傷を負い、ガソスタの青年に治療(?)されてる時、苦しそうに「この台、硬くて痛いわ」と変なクレームをつける場面も印象に残ります。首のあたりを深く切り裂かれて死にかけているのに台の硬さを気にしている場合か?と問いたい。あんな目に遭っといて警察も誰も頼らないのもよく分からんかった。



部分的には私好みの尖がった面白い要素が色々とあって好印象ではあるのですが、いかんせん話がいまいちで乗り切れないのでそこがもう少し何とかなってればなあ…と思ってしまう惜しい作品でした。



「カエル女」(Amazon Prime Video)


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