「パラノイア 暴走祖母」 感想 悪魔の毒々サイコばあさん

概要

原題:Deranged Granny

製作:2020年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ジェニファー・リャオ

出演:アマンダ・リゲッティ/ウェンディ・マリック/ジョシュ・ヴェンチュラ


子供二人をもつシングルマザーのケンドルは、仕事で出会った男イーサンと婚約し一緒に暮らすようになる。イーサンが母親と疎遠だと聞いたケンドルは彼らの関係を修復させようと試みるが、やってきたイーサンの母バーバラは孫たちを独占しようと企む狂気の暴走祖母であった。


予告編

感想



IMŌTO PRODUCTIONS とかいうところのテレビ映画。

イモト…?イモート?


内容は、孫たちを鬼かわいがりしたくてたまらないおばあちゃんがあの手この手で孫を手なずけ、親や親戚から引き離そうと暴走しまくるという話。邦題のインパクトが実にナイスです。



このばあさん、徐々に狂っていく系なのかと思いきやオープニングからいきなりアクセル全開で面白いです。出産直前の状態で「子供の名前をもう決めているの」とにこやかに語る嫁に対しての理不尽すぎるダメ出しから始まり、死産になってしまったことを逆恨みして医者の車に悪質なイタズラをかましてしまう。なんという鬼姑。



それがもとで息子は離婚する羽目になり、しばらく遠ざけられてしまう。しかし3年後、息子は子持ちのシングルマザーと再婚することになり、連れ子でも何でもいいからとにかく孫がほしいサイコばあさんはなりふりかまわず接近してくるのであった。



祖父母が孫をかわいいと思う気持ちは一般的に血のつながりがあろうがなかろうが関係ないものなんですかね? 仮になくてもいいとしても、すでにある程度の年齢になっていれば情は移りにくいような気もします。が、本作のサイコばあさんは孫たちがどんな子なのか知る前からもう何が何でも我が物にするんだというエネルギーが凄まじい。子供ならもう誰でも何でもいいと言わんばかりの勢いです。



しかし「我が物」と言っても孫にどこまで求めているのか。単におばあちゃん大好きっ子になってくれればいいのか。四六時中自分の手元に置いておきたいのか。その辺よく分かりませんが、サイコばあさんにとっての最大の敵は息子の嫁の元旦那です。いくらサイコばあさんが図々しく息子の家庭に入り浸ろうとも、肝心の孫たちは月のうち半分も息子の嫁の元旦那の家で暮らすことになっているのです。



孫との時間を邪魔するこんな障害はなんとしても排除せねばならない。そんなサイコばあさんのメインウェポンは毒入りパイ。とりあえずその場から去ってもらう程度の弱毒性パイから確実に命を刈り取る強毒性パイまで自由自在に毒を操ります。これはもう「悪魔の毒々サイコばあさん」の異名で呼びたいくらいです。果たして彼女は孫との時間を邪魔する大人たちを全て排除することが出来るのか! 落としどころは平凡だったものの、予想外にエキサイティングなシルバーサイコスリラーで実に楽しめました。



「パラノイア 暴走祖母」(Amazon Prime Video)


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