「パラレル 多次元世界」 感想 今年最強のグロ映画

概要

原題:parallel

製作:2018年カナダ

発売:アットエンタテイメント

監督:イサーク・エスバン

出演:アムル・アミーン/マルティン・ヴァルストロム/ジョージア・キング/マーク・オブライエン


アプリ開発で一山当てようと活動していた若者4人組。顧客からの無茶ぶりが元で仲間割れになりかけた時、シェアハウスの屋根裏で奇妙な鏡を発見する。それは現実と似ているが時間の流れが異なる多次元世界への入口であった。


予告編

サムネもうちょい何とかならんのかな…

感想





「今年最強のSF映画!!」との力強い宣伝文句が頼もしい2018年カナダ作品。とはいえあのアットエンタテイメントさんの言うことなんでまったく全然何一つ当てにはしてませんでしたが、これはわりと楽しめました。



内容は駐車アプリ開発で金儲けしようとしていたノエルたち若者4人組がパラレルワールドへの入口を発見し、それを利用してさらなる金儲けを企む話。



パラレルワールドにいる間は時間の流れが遅いからそれを利用してアプリ開発期間を短縮するのはマジメな利用法だなーと思いましたが、その次にやることが「別次元の自分のカネを盗みまくる」っていうのはある意味感心しました。別次元とはいえ他人のカネを盗むのは犯罪、でも別次元のオレのものはオレのものだからいいんだ的発想なのか。



パラレルワールドの自分に対する犯罪行為は果たして許容されるのか? そもそもパラレルワールドの自分は自分と同一の存在なのか? おそらくそんなことはないでしょう。私が別次元の私にカネを奪われたら全力で取り返しに行って、例え自分の面であろうと全身全霊でぶん殴るに違いないのです。なので、本作も調子に乗りすぎたノエルたちが別次元の自分たちにカネとか命を狙われリベンジされる展開になるのでは?と想像したのですが、残念ながらそういう話ではありませんでした。



野心の強さもモラルの線引きも人それぞれなので、この手のSFで仲間割れが起きて破滅へ向かっていくのは定番といえば定番の流れです。が、あまりに当たり前すぎて物足りないとも言える。クライマックスが内輪もめってのはどうもジャンル関係なく盛り上がりにくい気がするのであまりやってほしくないんですよね。たまには全員一丸となって困難に立ち向かい、さらなる金儲けに邁進するような展開も見てみたい。



そんな感じで少々ダレたとはいえ、ラストの異常に気合の入ったグロ描写にはビックリ。配給会社によっては「今年最強のグロ映画!!」と宣伝されててもおかしくないほど念入りな作りでピクピク脈打つモツや脳みそが飛び出してきます。モツが苦手な人にはちときついかもしれませんが、映像的には明らかにそこが一番の見どころでしょう。彼には今年のベスト死に様賞をあげたい。内輪もめ展開はありがちでも視覚的にはかなりインパクトのある結末を見せてもらえて実に満足しました。


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