「ブラッド・サマー」 感想 血が出ない夏

概要

原題:Crazy, Rich and Deadly

製作:2020年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ダニー・ブデイ

出演:ナターシャ・ウィルソン/ジーナ・ヴィットーリ/ヒューストン・ラインズ


小学校教師のブランディは、旧友のジャッキーに義理の弟アーロンを紹介される。彼らはすぐに良い仲となり、夏休みにはアーロンの実家で過ごすことに。だが、そこでブランディは泣き叫ぶ女性の姿を目にする。ただの悪夢だと思ったが、アーロンの家族や使用人が不穏な気配を出し始め…


予告編

感想



タイトル的に殺人鬼ホラーかな?と思ったらReelOne製作でいつものセレブ白人サスペンスでした。

私が観た時点で星一つのアマゾンレビューが1件だけついていて、それが


「内容ありえへん」


の一言だけだったのでものすげえクソ映画かもしれんという期待もあったんですが、ReelOne的には通常営業としか言いようのないデキ。なんという肩透かし。それとも私がクソ映画慣れしすぎてるだけで、普通の人から見たら本作でも充分「ありえへん内容」なんでしょうか? その辺の感覚がもう麻痺し切ってて分からんな…



本作、オープニングは妙にテンションが高くて期待を持たせてくれます。ハリウッド大作のような激しい劇伴が流れ、暗い山道を走って逃げ惑う主人公ブランディ。コケた目線の先にはなんと人間の死体が! さらにヘビやフクロウ、オオカミまで森の仲間たちが総出演して不穏な空気を煽りまくり。なんて面白そうなサスペンス劇場なんだ…とここまでは素直に思えます。



しかし、そこからは激しく失速。セレブな彼氏・アーロンの実家に招待されてウキウキなブランディの姿をしばらく眺めなければなりません。中盤から叫ぶ黒人女性の姿を目撃するとか、一緒にきた親友がいきなり失踪してしまう等の不穏な出来事が起きるものの、タイトルに反して血が一滴も出ないためかなりぬるい雰囲気。



本作を観た人はみんな同じことを思うでしょうが、アーロンのパパと使用人のリードという男がやけに似ていて区別がつきません。登場人物が6人ぐらいしかいないのに終始混同してしまうのでなかなかキツイ。なんだってわざわざあんな似ている人間をキャスティングしたのか。実は兄弟だったみたいな仕掛けでもあるのかと。使用人にしては貫禄あるしなあ…



ただ、アーロン家が何を隠しているのか?そこのところは先が読めず、サスペンス的には興味を持続させてくれて良かったと思います。真実が露見した後はツッコミどころ満載の展開を連発してくれてそれはそれで面白い。そんなこと手帳に手書きして済ませてるの?とか、なんでお義母さんは敵じゃないと思ったの?とか、次男だけ無関係のいい人ってどうなの?とか色々。この辺が「ありえへん内容」と言えば確かにそうかもしれませんが、まあまあボチボチ楽しめました。



「ブラッド・サマー」(Amazon Prime Video)

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