「ザ・マミー リボーン」 感想 迫りくる中年女性の恐怖

概要

原題:The Mummy Reborn

製作:2019年イギリス

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ダン・アレン

出演:ティファニー・エレン・ロビンソン/ビクター・トス/クリス・ケイ


自閉症の弟を持ち、生活苦に悩むティナと恋人は、勤め先のアンティークショップからペンダントと棺を盗み出す。それに興味を持った弟は、うっかりペンダントを壊してしまう。すると棺のミイラが復活し、女たちを操りながらペンダントを探して殺戮を始めるのだった。


予告編

感想



英国糞映画界の俊英スコット・ジェフリー脚本作品。


今回はハムナプトラやトム・クルーズのやつに便乗した模様。ジャケ絵はここに貼れないんですが、そこに描かれているピラミッドもバイクもハマー?もブレンダン・フレイザー風の青年も何もかも本編には全く出てこないため、ジャケ詐欺度は非常にお高め。



基本的には特に大きくもない田舎の一軒家で、痛々しいエジプト衣装のおばさん方(時々マミー)が面白おかしく殺し合うという地獄のような超低予算ホラーコメディとなっております。とはいえ、それでもスコット・ジェフリー脚本作品の中では一番ましと言っても過言ではない出来栄え。監督の力量でしょうか?(知らない人だけど)



ただ、マミーがリボーンして暴れ出す中盤までの展開は普通に拷問レベルのつらみがあります。自閉症の弟が風呂に入りたくないんだ何だとダダをこねるシーンなどのどうでもよさが半端ない。そんな苦労を重ねている主人公ティナは見るからに疲れた顔の一般中年女性ですが、本作はそんな感じの疲れ顔の一般中年女性がやたら大量に出てきては戦ったり理不尽に殺されていったりします。出演者の多くはおそらく役者ではなく、スタッフの身内を集めたものと考えられます。



その中で二名ほどマミーに操られ、古代エジプト風の衣装をまとう中年女性が出てきますが、何かもう学芸会クオリティの衣装で観るに堪えず、非常に恥ずかしい思いをしたのではないかと思われます。その馬鹿馬鹿しい画作りもコメディの一要素なんだと言われれば確かにそうかもしれませんし、見るからに身体能力の低い中年女性同士のチャンバラ格闘アクションなど考えてみれば今までに見たことがない珍場面でした。



そう考えると、何がしたいか明確でないことさえ多いアマプラ謎映画界において、本作は笑いを取りに来ているのがハッキリわかる分かなり上位に位置する謎映画と言えます。時々妙に大音量になってテンションがぶち上がる瞬間があったりするのは分かりやすくていいです(うるさいけど)。クソ映画には違いないんだけど、格闘シーンに変なエフェクトを付けるなど工夫と努力の跡が見られるので好感は持てるんですよ。そのテンションがもう少しでも持続してくれればなあ…とは思いましたが、クソ映画マニアが無料で観させていただく分にはそこまで腹の立たない作品ではあったかと思います。



「ザ・マミー リボーン」(Amazon Prime Video)



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