「ジュラシック・ウッズ」 感想 もののついでに蘇らされた恐竜

概要

原題:Hatched

製作:2021年イギリス

発売:メニーウェル

監督:スコット・ジェフリー/レベッカ・マシューズ

出演:ジョージ・バンクス/メーガン・パービス/トーマス・ルーン


ケイトリンとジョスリンは両親と共に田舎に住んでいる兄の元を訪ねる。だが、そこにいたのは兄ではなく血に飢えた恐竜だった。兄は死んだ息子を遺伝子操作か何かで蘇らせ、そのついでに恐竜まで復活させてしまったのだった。


予告編

感想




イギリスでやばそうな映画を大量生産しているスコット・ジェフリーとレベッカ・マシューズ製作・監督作品。スコット・ジェフリーは「サイバーブライド」の脚本も担当しています。



ストーリーは重苦しくてシリアスな雰囲気で、死んだ幼い息子マークを蘇らせた科学者の苦悩とか、何も知らずにマークと出会った親戚のおばさん方の戸惑いとか、家族愛を絡めたホラーサスペンス的な話。どうでもいいけどそのマーク君が最初女の子にしか見えなくて、なんでマークと呼ばれているのか分からず混乱しました。



それはまあいいんですが、なぜこの家族の物語にわざわざ恐竜を絡めてくるのかよく分からない。科学者はこれ以上ないほど悲壮な顔をしていたはずなのに、息子を生き返らせたついでに調子に乗って大した理由もなく恐竜も蘇らせてしまったように見えます。せっかく一家団欒という幸せを取り戻したはずだったのに、そんな余計なことをしてしまったおかげでぶち壊しどころか夫婦そろって喰われてしまう羽目に。



バカ映画みたいな展開ですが、イギリス製なのでずっと暗くて重苦しい雰囲気のまま。私はどうもイギリス映画のこういうところが苦手ですね。真面目に作ってこうなっているのか、紳士を気取っているだけなのか。「恐竜が出たので助けてくれ!」というバカな通報を真に受けてやってきた軍人たちも揃って必要以上に深刻な顔をしてばかり。もっとこうブリティッシュジョークの一つや二つ飛ばしてくれても構わないのですが。



恐竜のCGはそれなりに良く出来ている方ですが、別に恐竜である必然性が何もないし、モンスターパニック映画としては「ジュラシック・SWAT」あたりのクソ映画と大差ないレベル。マイケル・パレの小悪党芸が観れる分だけジュラシックSWATの方がまだ面白かったとすらいえます。80分が240分に感じるくらいにはつらく苦しい作品でした。

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