「デストイレ Ⅱ 復讐の悪魔便器」 感想 神の偉大な御力で便器を掃除

概要

原題:Death Toilet Number 2

製作:2019年アメリカ

配信:コンマビジョン

監督:エヴァン・ジェイコブス

出演:マイク・ハーツフィールド/アイザック・ゴルビッチ


悪魔トイレとの死闘から数年。

ベトナム帰還兵のブレットは戦場で培った運転技術を活かしF1レーサーに転身、世界中を駆け巡っていた。

今や成功者となりつつあるブレットだったが、ある悩みがあった。

一人になると必ず幻聴―謎の放屁音―に襲われるのだ。

そんな彼を悪魔便器祓い師であるマーカス神父が訪れ、ブレットに悪魔トイレとの戦いに戻るよう説得を試みる。

トイレ・エクソシズムの果てに首に大きな傷を負い、今もそこから流れ出る悪魔汁に苦しめられているブレットは神父の頼みを断ろうとするが…。

人類VS便器という永遠のテーマを描いた『デストイレ』の続編が待望の日本上陸!


(↑コンマビジョンHPより)


予告編

感想




2022年後半になってもコンマビジョンの勢いは衰えることを知らず、それどころか「ウィジャ・シャーク2」の劇場公開が決定するなどますますクソ映画の最先端を突っ走っているようです。前作「デストイレ」も実店舗に並んでいたならそのインパクトでヒットしたかもしれないけど、配信オンリーだしごく一部の限られたマニアしか観ていないだろう…と私は思っていたのですが、コンマビジョンによれば「評判を嗅ぎつけた映画スカベンジャー達が殺到!」したとのこと。映画スカベンジャーって一体どのくらいいるんだ。



そういう私も自称映画スカベンジャーなので続編である本作もしっかり配信開始日に鑑賞させて頂きました。これ、公式のあらすじが無駄に面白すぎるんですよね。謎の幻聴(放屁音)に悩まされる主人公ブレット、悪魔便器祓い師マーカス神父、トイレ・エクソシズムの果てに負った傷から流れ出る悪魔汁、人類vs便器という永遠のテーマ…ここまで開き直ったクソ映画もそうそうなく、そりゃスカベンジャーたちも殺到しようというものです。



「今度も臭いたつほどスゴイ!!!」と言うだけあって、期待を裏切らないオーバークオリティぶりです。全編に渡って放屁音が鳴り響くのは前作と同じですが、今度はなぜか鳴るたびにタイムがカウントされるという謎のバージョンアップが成されております。クソ映画史においてもこれほど意味不明なギミックもそうそうないでしょう。ストーリー自体も分かるような分からないような微妙なところですが、見た目にはオッサンふたりが便所ですったもんだしているだけであり、Z級映画としても貧乏・むさい・不潔・窮屈とろくなものではありません。ブレットがヒゲを剃ってくれたのはいいけど今度は悪魔汁とやらが実に汚くて不快でした。



そんな本作の見所は前作とほぼ同じで、悪魔便器祓い師のマーカスが全身全霊で叫びながらトイレ掃除を行うシーンです。使用するアイテムは「祝福されし便所紙(ホーリー・ペーパー)」「便器用精密悪魔探知機」「キリスト・ワイパー」などとふざけたネーミングで笑わされてしまいます。


マーカスがこれらを駆使して「キリストの偉大な御力でトイレを綺麗に!不浄の存在よ!ピカピカになれ!このキリスト・ワイパーが貴様を討つ!」「汚れ切った地獄のトイレよ!すっかり綺麗になるが良い!」などと罰当たりなことを叫んびながら便器をキュッキュッと拭き掃除している様はもう3周回ってクソ映画的にとても素晴らしいです。


本作を観た者は「この世にこれほどまでに下らない映像を作る馬鹿がいるのか!」「こんなものを外国からわざわざ権利購入してローカライズして配信する配給会社があるのか!」と資本主義経済の奥深さ、映画スカベンジャーの業の深さに思いを巡らせることになることでしょう。


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