「フォービドゥン・プレイス 禁じられた場所」 感想 作曲できる系モンスター

概要

原題:ARCHOS

製作:2018年カナダ

発売:アルバトロス

監督:ニック・ゾスタキフスキー

出演:ジョシュ・コリンズ/ロブ・ラコ/サマンサ・カーリー/パーミス・セハト/ナサニール・ゴードン


カナダの森林地帯。キャンプに来ていたエイプリルは、カヌーで川下りをしていたミッチたちと出会う。彼らはロック・バンドのメンバーで、バカンスでアドベンチャー旅行を楽しんでいた。同行することにしたエイプリルと共に、4人は森の奥地へと進んでゆく。だがそこは、先住民以来の伝説が残る、“聖なる地”だった。森の中から、彼らを監視している何者かの視線。奇怪な現象が続き、やがて1人また1人、姿を消してゆく仲間たち。そして残されたミッチは、想像を超えた《怪物》と遭遇することになる……。

(↑アルバトロスHPより)

予告編

感想



カナダの森林地帯で川下りをしていたロックバンドのメンバーが謎のモンスターに襲われる。ジャケ絵のそれがもろにプレデターっぽかったので即レンタルしました。何年経ってもプレデターに釣られ続けるモンスター映画マニアの哀れな性ですよ。…まあ、例によってアルバトロスの仕事なのでこんな奴おらんし何なら顔を掴まれそうになってる女性も出てきませんでしたがね。いつものこととはいえクリエイティブすぎる。



内容はだいぶ抽象的で難解で曖昧な雰囲気。ドラッグをキメながらカヌーで川下りという実に無謀なレジャーに勤しむ主人公ミッチたち。彼らは「そこそこ売れてるロックバンド」というモンスター映画ではちょい珍しい職業設定ですが、それが思ったより重要なファクターだったようです。というのも本作、モンスター映画として観ると結局何が起こっていたのか全然分からないんです(私が馬鹿なだけかもしれませんが)。



頭を爆裂させる寄生虫やボロ切れを纏った人型モンスターのような敵が襲ってくることは襲ってくるけど、それが何なのかは最後まで不明。ただ、ミッチたちが寝ている間に勝手に作曲・演奏して録音するという奇行を見せてくれます。そこはなかなかユニークで面白い展開ですが、見た感じそんな知性がありそうなモンスターではなかったのでさすがにおかしい。



…となると、やはりわけのわからないドラッグでハイになったミッチたちが自分で作曲・演奏し、それをただ忘れているだけであったと考えられます。頭から飛び出す寄生虫もドラッグによる激しい頭痛をそう表現しているだけなんでしょう。あまりの痛さにドリルで自分の頭に穴を空けるという珍場面もありましたが、そこまでの痛みを起こす寄生虫が脳内で暴れて生き延びられるとは思えませんしね。



メンバーの中に密かにソロデビューを企んでいる奴がいるなど、バンドならではのめんどくさい人間関係などもあったり、最近はあまりヒット曲が生み出せていない等、様々な要因でバンドが瓦解していく様をモンスターパニックになぞらえて描いた作品だったのではないか。もしかしたら全然違うかもしれないけど、私はそんな風に思いました。


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