「スノー・モンスター」 感想 シン・ジョーズ 北極編

概要

原題:大雪怪 Snow Monster

製作:2019年中国

発売:ハーク

監督:ホアン・ハ

出演:ウー・ジュンチョン/チャン・ヨンシェン/タン・シン/リー・ルオシー/ジャン・ジントン/ジャン・ヨンボー


北極圏で消息を絶った遺伝子研究所チームを救助するため、捜索隊が現地へ急行。だが、そこは特殊な磁場か何かの影響で生まれたスノーシャークや怪鳥など様々なモンスターが蠢く危険地帯であった。そして彼らの前に、巨大な雪の獣とそれを崇める謎の原住民たちが姿を現す。


予告編

感想



いつもの中国製量産型モンスターパニック映画。


そんなに悪くはないんです。安いなりにもスペクタクルな見せ場を作ろうという気概は感じられるし、格闘アクション的にもがんばって動いてる感は充分あります。スノー・モンスターの造形はかなりクオリティが高いし、それにサメも出る。だからそんなに悪くはないんだけど、何かもう本当にストーリーもキャラクターも既視感漂いすぎてアレ。



どっかの秘境で行方不明になった研究者を助けに行く、という出だしの時点でもう何十回やるのこれと言いたくなるし、お笑い担当のデブも「シン・ジョーズ 最強生物の誕生」と全く同じだし、メガネかけてるやつはまた「メガネ」呼ばわりされてるし、過去作との類似点を挙げたらキリがありません。



いや、本作は2019年製だから「シン・ジョーズ」にはパクられた側かもしれませんが、別に本作や「シン・ジョーズ」だけの問題ではないですからね。中国映画界の中ではどいつもこいつもパクリパクラレし合ってて結果的に全部同じ話になってるんじゃないかと思います。脚本家が自分の頭で考えてるポイントが何もなさそう。それでも「シン・ジョーズ」はサメ映画としては面白かったけど、本作は…。



さらに本作独自のツッコミどころとして、舞台が北極圏なのにどいつもこいつもやたら軽装であるのが全編に渡って非常に気になります。こんなバカ映画にリアリティもくそもねえだろ、って言われたらそれまでですが、さすがに最低限度というものがあると思うんですよ。薄手のジャンパーでファスナーも上げてなくてシャツが見えてるとか、手袋すらしてない奴が多いだけでもアレなのに平気で地面や岩に手をついちゃうとか。北極圏で活動する救助隊にはとても見えない。というかあれだと北海道でも死ねます。



しかも現地で暮らす原住民の女戦士もノースリーブで二の腕丸出しで生足もバッチリ出してるわともうファンタジーにもほどがある。そんな彼女と激闘を繰り広げる傭兵のリーダーもマッチョな素肌をさらけ出しまくり。いくら大雪怪が暴れる作品とはいえこのリアリティラインではさすがに乗れない。



北極圏でサメが襲ってくる絵面は良いんですけどね。ただ中国産なんでゴア描写はカケラもないのは大変虚しいんですが。あと「とりあえずサメ出しときゃサメ映画マニアが喜ぶだろ。あいつらチョロイからな!」と思われてそうな気がする。まあ怪鳥とか微妙なものを出されるよりはサメの方がいいに決まってるので別にいいけどさ。まあ実際、寒冷地もののサメ映画だと思えば「スノーシャーク 悪魔のフカヒレ」とか「アイス・ジョーズ」とかよりは全然マシではありました。


コメント

匿名 さんのコメント…
この手の薄着みたいなリアリティの話って、
フィクションだとわかりきってても現実に戻されて萎えますよね。
極限状態なのにメイクバッチリだったり
大怪我してるのに元気に動き回ったりとかの感じっすわ。
岩石入道 さんの投稿…

2022年2月11日 21:45の匿名さん

どうもこんばんは。そうですね~、荒唐無稽な映画であればあるほどそういう基本的なところがいい加減だと何もかもがデタラメでしかなくなって冷めちゃいますね。「極限状態でメイクバッチリ」もよくあるパターンで同感です。