「クライ・マッチョ」 感想 ニワトリ映画として観てきた

概要

原題:CRY MACHO

製作:2021年アメリカ

配給:ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ

監督:クリント・イーストウッド

出演:クリント・イーストウッド/エドゥアルド・ミネット/ドワイト・ヨアカム/フェルナンダ・ウレホラ/ナタリア・トラヴェン/オラシオ・ガルシア・ロハス


1979年、馬の調教師であるマイクは雇い主からある依頼を受ける。それは、メキシコにいる13歳の息子ラフォが母親に虐待されているので連れて来てほしいということだった。マイクはメキシコの闘鶏場でラフォを見つけ、共にテキサスへと向かう。


予告編

感想





私はクリント・イーストウッドにはあまり興味が無く、今まで観た彼の作品と言えば「15時17分発、パリ行き」とあとはせいぜい「ダーティハリー」くらいのもんなので普通ならわざわざ劇場へ出向く気にならないのですが、どうやらニワトリが主役級に活躍する映画らしいと聞いて行ってきました。なんせ鳥類が好きなもんでしてね。インコ飼育歴も今年で14年目になるくらいです。動物映画でもなかなか鳥にスポットを当てた作品は少ないですから見逃すわけにはいきますまい。



内容は、クリント・イーストウッド演じるマイクがメキシコの闘鶏場から少年ラファとニワトリのマッチョを連れてテキサスへ向かうという話。ちょっと前に観た「マークスマン」と似通った印象のうえにこちらは全く緊張感がなく、非常にゆったりまったりしており眠気を誘います。本作のメッセージも上に貼った予告編が全てであるような気がする。イーストウッドは動物たちや未亡人たちに異常なほどモテモテでしたが、そんな90代のジジイが現実のどこにもいるはずがなく何だかファンタジーな温度感。運転するシーンが多かったけど、おじいちゃんもう免許返納しないといけない年でしょ…と言いたくなりました。



まあストーリーはどうでもいいのですが、闘鶏用のニワトリである”マッチョ”は終始大変可愛らしく、しかも老いたイーストウッドの代わりに戦闘要員としてメキシコからの追っ手と戦うシーンが二度もあったりと、確かに主役級の活躍をするので鳥好きには満足度の高い作品だと言えました。まぁ闘鶏という競技はちょっと残酷ですけども。しかしニワトリを強さの象徴として扱う映画も珍しいですな。



ニワトリというと世間では「鳥頭」と言ってバカ扱いされたりしますが、実際はそんなことないんですよね。鳥類は全般的に知能が高いと思います。本作のマッチョも普段は大人しく少年の腕に抱かれてたり、飲食店でもちょこんと大人しく席についてたり、しかし敵には勇猛果敢に飛び掛かって行ったりと実に空気が読める賢いニワトリなんです。ラスト、イーストウッドと少年の別れはどうでもよかったけど少年とニワトリの別れは目頭が熱くなりましたね。イーストウッドにマッチョを託してももう91歳なんだからあと何年持つかわからんぞといらん心配をしてしまいましたが。


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