「ブラック・クローラー 殺戮領域」 感想 インド人もびっくり

概要

原題:SALTWATER:THE BATTLE FOR RAMREE ISLAND

製作:2021年イギリス

発売:アルバトロス

監督:スティーブ・ローソン

出演:グレン・サルベージ/ジャス・スティーヴン・シン/ライアン・ハーヴェイ/スティーブ・ドルトン/チャーリー・ボンド/デビッド・ホン・マ・シュー


1945年、日本軍基地を攻撃する任務を負ったイギリス兵4人がビルマ沖ラムリー島に上陸。沼地を横切り基地へと向かうイギリス兵たちだったが、その沼には大量の獰猛なイリエワニが棲みついていた…


予告編

感想





2日連続ワニ映画祭り。

(※今年5月にリリースされた「ブラック・クローラー」とは全く無関係)


中国の次はイギリス製です。ジャケットにはとてもエキサイティングな宣伝文句が踊っており、



「第2次大戦中に起きた”信じがたい実話”



「その沼に足を踏み入れた兵士は1000人



「生きて還ったのはわずか20人





どうも戦争映画×アニマルパニック×実話という組み合わせの妙を楽しませてもらえそうな気配です。なんといっても1000人も襲われて980人も喰われるのがウリなので実にスケールが大きそうで大変期待が持てますね。実話を謳ってるんだから、いくらアルバトロスとはいえジャケ詐欺だなんてことはまずあり得ないと考えてもよろしいでしょう。




(鑑賞中)





4人しか出てこねえ…。



…ということで本年度最悪と言っていいくらいに壮大なジャケ詐欺をぶちかまされてしまいました。イギリス兵は4人だけでも、日本兵300人をおびき寄せてワニに喰わせようぜ!みたいなプランを練ってたので、追加で300人出てくるかと思ったけどそんなこともなかった。それでも、本編自体はまあ…まあそこまで嫌いな作品ではありませんでしたが。ダメダメジャンク映画には違いないんだけど、なんとなく愛嬌があってね…。



一応ワニは実物が映るんだけど、人を襲う時は細切れのカット割りでごまかしてるパターンのワニ映画です。それは別にいい。問題は、ワニが絡むシーン以外はほとんど全てイギリス兵がただ揉めたり駄弁ったりしているだけという展開の乏しさにあります。1時間22分しかないのに駄弁りで時間を潰すような映画にはろくなやつがないんです。



ただ、本作はクソ映画によくある本当に虚無的な駄弁りばかりではなく、イギリス兵たちのとぼけた掛け合いからわずかに滲み出る旨味を見出すことができます。ジャケ絵のシリアスなイメージとは裏腹にゆるゆるコメディ風のノリ。軍曹と撮影兵(?)はすぐ死ぬのでどうでもいいとして、何かと傲慢なハリスとインド人志願兵のハリナリヤン・シェラ・パンジャブ・シン・ライ・カラ(以下パンジャブ)の2人の関係性が見所です。



ハリスはインド人など全く信用しておらず、激しく見下しています。インドはイギリスの植民地でしたから、パンジャブはハリスには下手に出ているものの「でもあんたより階級は私のが上なんですよ」と微妙にマウントをとったりする。しかしワニ沼に落ちたカバンを取る役を決める時、「階級が上の人間がやるべきだ」とハリスが主張すると「階級は一杯あって複雑なんですよ」とごまかしたり。…書いてて気づきましたが、会話自体は別に面白くないですね。パンジャブのトボけた演技がちょっと微笑ましいだけだった。ということで、インド人頼みのしょうもないクソワニ映画でした。

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