「ラン・ハイド・ファイト」 感想 女子高生ランボー

概要

原題:RUN HIDE FIGHT

製作:2020年アメリカ

発売:ニューセレクト

監督:カイル・ランキン

出演:イザベル・メイ/トーマス・ジェーン/ラダ・ミッチェル/イーライ・ブラウン/オリー・ショロタン


軍服女子高生のゾーイは、プロムに浮かれるクラスメイトたちにウンザリしていた。そんな中、学校に武装したテロリストたちが乱入。次々と生徒たちが撃ち殺され、校内は阿鼻叫喚の地獄と化す。たまたまトイレにいて難を逃れたゾーイは、みんなを救うべくテロリストに立ち向かうが…


予告編

感想





「学校にテロリストが乱入し、普段はクラスで浮き気味の自分がかっこよく立ち回りみんなを助けてヒーローに」


…というボンクラ中学生の定番妄想をこれ以上ないほどまじめに具現化してくれたナイスなアクション映画。

松岡圭祐の小説でも似たようなのありましたよね。ただそっちも主人公は女子高生ですが。男子でやるとあまりにも妄想そのまんますぎるから照れ隠しとポリコレも兼ねて女子高生にしてるんでしょうか?


ところで、定番の妄想と言っても私はテロリストでは妄想していませんでした。中学生の頃、私の脳内では学校に襲撃してくるのは主にエイリアンかプレデター。どんだけ好きだったんだよって話ですが、妄想の世界でも彼らには立ち向かえず、いかにして逃げ延びるかというシミュレーションに勤しんでいました。まあいつも惨殺されてましたが。



そもそも学校なんぞにわざわざテロリストが乱入してくる目的とは一体何なのか。正直映画に使えるほどリアリティのある理由はあまり考えつきません。と思ったら、本作の武装テロリストは同じ高校の生徒でした。これはテロというよりスクールシューティングものの趣きが強い。プチダイハードでイピカイエー的な軽いノリの話なのかと思いきや、これのせいでかなりシリアス寄りの重たい雰囲気に。学校で虐げられてきた生徒の自暴自棄な復讐劇。



しかしスクールシューティングとなると、普通そんなの単独犯か多くてもせいぜい2~3人の犯行にしかなり得ないと思いますが、本作は躊躇なく生徒を射殺するほどネジの飛んだ生徒がなんと5人も集まってます。そんなに地獄のように息苦しいカースト制の高校だったのでしょうか?



ただ敵も未熟な高校生にしたおかげで、じゃりン子ゾーイがある程度立ち向かえてもそこまで荒唐無稽ではないように見えます。決して安易なアタシTUEEEE的なやつではなく、青息吐息でボロボロになりながら各個撃破していく系。繊細な男子中学生の気持ちをよく分かってますね。もちろん敵を倒すだけじゃなく、無力な教師や生徒たちを誘導して避難させたりもする。いや~実にかっこいい。とても真似できませんよ。



ということで地味ながらも結構楽しめるアクション映画でしたが、しかしラストの決め方だけはいただけません。いくら超人軍服女子高生でもあれはやりすぎ。ランボーじゃないんだから。ハッピーエンド風に終わってたけど思いっきり犯罪行為だし、あの後普通に逮捕されるんじゃないですかね。未成年だから大丈夫よってことか?


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