「アトラクション」 感想 もっとひねりがほしい

概要

原題:HELLFEST

製作:2018年アメリカ

発売:ファインフィルムズ

監督:グレゴリー・プロトキン

出演:エイミー・フォーサイス/レイン・エドワーズ/ベックス・テイラー=クラウス


ハロウィンの時期にホラー系アミューズメントパーク”ヘル・フェスト”へ遊びに来たナタリーたち。様々な趣向が凝らされたアトラクションを楽しむ彼らだったが、脅かし役スタッフの中に本物の殺人鬼が紛れ込んでいた。


予告編

感想



お化け屋敷に遊びに行ったら本物の殺人鬼が!!系ホラー。

よくあるパターンですが、ボチボチまあまあ。可もなく不可もなく。スラッシャーとしてはそこそこのクオリティではあります。ただ悪くはないけどパンチにも欠ける。邦題も全くやる気ない素っ気なさですしね。せめて「殺戮アトラクション/悪夢のギロチン地獄」みたいにはったりを利かせた方が良かったのではないか。



本作のお化け屋敷はこの手の映画の中ではかなり規模が大きく、内容も凝っていて、そのせいか主役の若者グループが普通に遊んでいるシーンがやけに長いです。1時間経っても主人公ナタリー以外は誰も異常に気付いてないぐらい進行が遅い。ナタリーたちはこの手のホラーでよくいるネジの緩みきったパリピではなく、まあまあそれなりに品行方正な学生たちなのでこれといったやらかしも何もしてくれないので退屈。かと言って別に助かって欲しいと願うほど好感が持てるわけでもない微妙な人たちです。



お化け屋敷の出来自体は良いと思いますけど、それを延々と見せられてもちょっと…。これはもしかすると実在するアトラクションのプロモーションを兼ねているのかもしれません。もし本作を観た後に同じアトラクションへ行って同じ格好の殺人鬼がウロウロしてたら結構な恐怖感を味わえることでしょう。日本人には関係ないけど。



印象に残るゴアシーンは終わってみれば目ん玉串刺しぐらいのもの。全体的にぬるいホラーだけどそこだけはいやにハッキリ魅せてきましたね。しかし目ん玉串刺しも昔「サンゲリア」で観た時は心底鳥肌モノだったけど、令和の今見ても「その程度?」としか。もう単純に斬ったり突いたり剥いだりでは満足できない体にされてしまったのです。人のバラし方にはひとひねりもふたひねりも必要な時代と言えます。



仮面の殺人鬼はマイケル・マイヤーズリスペクトキャラかなと思いますが、特に個性のある殺人鬼とは言えず既存の枠内に収まるお行儀の良さ。何か「これだけはよその殺人鬼に絶対負けない」というストロングポイントが欲しいんですよ。ラストでほんのちょっとだけひねりを入れてきたものの、時すでに遅く効果は薄い。



また、ナタリーの友人をギロチンで公開処刑をすると見せかけて徐々に盛り上げたくだりは良かったんですが、結局失敗してしまい雑にナイフでザクザク処理するだけで終わってしまったのはもったいなかったですね。しかも2人まとめてだし。アトラクションに凝るのもいいが、それより殺人シーンにもっとこだわってほしいなと思いました。

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