「ドント・ブリーズ2」 感想 犬を大事に

概要 

原題:Don't Breathe 2

製作:2021年アメリカ

配給:ソニー・ピクチャーズ・エンターテインメント

監督:ロド・サヤゲス

出演:スティーヴン・ラング/ブレンダン・セクストン3世/マデリン・グレイス


前作の事件から数年後、盲目の老人はどこかから引き取った少女を育てていた。だがある夜、武装した男たちが娘を狙って家に侵入してくる。


予告編

感想



音を立てると盲目のモンスターじいさんが襲い掛かってくるホラー映画の続編。

前作の結末からは続編の製作は難しいように見えたんですが、盲目モンスターじいさんを主役側にするという大幅な路線変更をやってきました。じいさんはどこかから引き取ったのか誘拐したのか小さな少女を育てており、今度はその子を狙った武装集団に襲われるという話。そこそこグロイものの、これはもうホラーではないですね。



じいさんは少女を守るために戦うことになるので一応善玉っぽいようにも感じられるのですが、なんせ前作でドン引き級にきもちわりい極悪性犯罪をかましていたのでそんな危険なモンスターじいさんが少女を育てている絵面はやはり犯罪にしか見えない。一応少女に対する愛は真っ当なもののようではあるものの、学校に通わせていなかったり街へのお出かけもごくまれにしか許していなかったりと仮に実親だったとしても毒親のような厳しい縛りの育て方。



そんな生活を送る少女を狙って押し入ってくる武装集団は一体どういう目的なのか。その辺は後半まで引っ張るのでネタバレはしませんが、あまり関係ない一般人は惨殺するし、じいさんを引きずり出すためなら少女の命すら厭わないような動きも見せるので(ここは本来の目的からするとおかしいんじゃないかと後で思いましたが)、どちらにせよろくな奴らではない。悪vs悪という図式。まあ前作も主人公がチンピラのコソ泥だったから同じなんですが、より酷い外道対決。しかし悪の中にも多少は善性が残っていたりするので、どちらがよりマシな方なのか、その辺のバランスが目まぐるしく反転するストーリー展開には驚きました。



そこからは「犬は大事にしなさい」というメッセージが強く伝わってきますね。犬を大切にする者は報われ、粗末にする者は地獄行きあるのみ。犬は賢く鼻が利くというのもあるけど素の戦闘力でもほぼ最強で、盲目モンスターじいさんと言えど犬には手も足もでません。じいさんも元軍人で相当強いはずなんですが、もともとコソ泥のチンピラ3人組にすら大苦戦していたくらいなので犬+武装集団が相手だとかなり劣勢、圧倒的弱者です。青息吐息で各個撃破していく様子はスリル満点ですが、襲う側は特に息や音を殺す必要がないのでタイトルと内容がもう全然合っていないような気がします。敵の鼻と口を接着剤で塞いでしまうところは笑いましたが。



ということで前作とは全く違う路線ながらもこれはこれでかなり楽しめました。結末を見ると今度こそ続編は作れないかなと思いましたが、エンドロール後のポストクレジットシーンを見るとまだあわよくば続編作っちゃうよという意思が感じられましたね。もし盲目モンスターじいさんが生き延びていたとしたら、多分犬に囲まれて生活するだろうから次回作はより犬が深く関わるストーリーになるのではないかと思いました。


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