「マザーズ・クライム ねじれた愛情」 感想 女同士のとてつもなく醜い争い

概要

原題:A Mother's Crime

製作:2017年アメリカ

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:ファラド・マン

出演:エイプリル・ボールビー/ジェニー・ガブリエル/マシュー・ペイジ


シングルマザーのニッキーの元に、ろくでなしの妹ダニエルが赤ん坊を連れて泊まりにやって来る。だが翌日、ダニエルはカネを盗んで逃げていたうえに夫を殺害し逃亡中の身だったことが発覚。刑務所に入ったダニエルの代わりに、ニッキーが赤ん坊を養子として引き取る。そして7年後、出所したダニエルが娘を奪い返そうと近づいてくるが…


予告編

感想



なぜか毎回必ず主人公が「裕福な白人のシングルマザー」のテレビ映画ばかり作っていることでお馴染みのReelEntertainment作品。今どき珍しいくらい「多様性の尊重」にここまで激しく中指を突き立てている、その意図はどこにあるんでしょうか。そのまんま裕福な白人シングルマザー向けの作品なのかなとは思うものの、そんな層がアメリカの人口のどれくらいの割合を占めているというのか…謎です。



ということで本作の主人公もブルジョワジー・ホワイト・シングルマザーのニッキーですが、今回はそれはもう50人ぐらい住めそうなほどの大豪邸に住んでいるのでいつもよりさらにだいぶ裕福。しかし娘と二人暮らしでそこまで巨大な家に住んでてもかえって持て余しまくりじゃないの…とか、一体何の仕事をしてたらそんな大豪邸を維持管理できんの…とか、2回もあっさり不法侵入されてるけど大豪邸の割りにはセキュリティが甘すぎなんじゃないの…とか色々疑問が湧いてきます。が、そんな些事を気にしていたら本作を最後まで観ることはできません。相当ガバガバでユルユルなテレビ映画なんです。



ニッキーは強盗に殺人ととんでもないロクデナシの妹ダニエルの娘キャリーを養子として引き取り、7年育てる。しかし出所したダニエルがキャリーを取り戻そうと色々仕掛けてくるという話。向こうのテレビ映画はこういう親権争いものが多いですね。兄弟姉妹のロクデナシが敵になるというのも非常によくあるパターン。それだけ視聴者にとっても身近なトラブルということでしょうか。



それだけだったらまあ本当にどこにでもあるテレビ映画でしかないんですが、本作はダニエルの義母、キャリーから見るとおばあちゃんまでもが親権争いに参戦してくるのが問題です。いや別に参戦してもいいんだけど、その手段がちょっとおかしい。私立探偵を雇って射殺されてもおかしくないくらいストーカーまがいの不法侵入しまくりでニセの証拠をでっちあげ、むりやり親権を奪おうっていう。さらにこのおばあちゃんも超巨大な豪邸に一人で住んでおり、セレブVSセレブといった様相を呈しております。



力ずくでさらおうとしているクサレ脳みそのダニエルはともかく、一応合法的に奪おうというスタンスっぽいおばあちゃんがあんな風に違法行為しまくりでは到底裁判で親権を勝ち取れるはずもない。なのにあの勝ち誇り方は意味不明だし、ニッキーの弁護士が不利を認めるのも何やねんお前らもクサレ脳みそか?と言う他ありません。あんなクソ共に狙われまくるキャリーがちょっとだけ気の毒になってきますが、極貧殺人犯の母親から逃れて大富豪の子になってるんだからそうでもないか。クライマックスのしょうもないキャットファイトといい、ReelOneEntertainment作品としても下位のクオリティだったかなと思います。


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