「ザ・マーダー 連続殺人事件」 感想 実に火サス的な凡作

概要

原題:Murder at the Mansion

製作:2018年アメリカ

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:サム・アーヴィン

出演:アンナ・ハッチソン/ジェイソン=シェーン・スコット/メリッサ・ボローナ


ディアナは結婚式の準備のため、婚約者カールの実家に滞在することに。周囲から祝福され、幸せな結婚になると思われた。しかし、ディアナの身に危険な事故が何度も発生し、さらにはプランナーやカール家の使用人も次々と事故死していく…


予告編

感想




アマゾンプライム配信のテレビ映画。

最近多い、Reel One entertainment作品。

「アクシデント すべてを失った女」「ガールフレンド・キラー」と同じ会社で出演者もかぶっており、出来も似たり寄ったり。本作は上の2作と比較してもいまいちだったかな。非常に「火曜サスペンス劇場」的なクオリティなんですがひねりも個性も薄く、これといった見どころが何もない。タイトルも無味乾燥な感じですしね。食べ物で例えると、なんかマイナーなスーパーのプライベートブランドのカップ麺みたいなものです。とりあえず食えるということ以外何も期待しちゃいけませんよ。



内容は、金持ちの家に嫁ごうとしている女性ディアナが何者かに命を狙われるっていう話ですが、「私ココナッツアレルギーなので」と言えばすぐ食事にココナッツを盛られるし、「私泳げないんですよ」と言えば速攻で川に落とされるし、気分転換にサウナに入ればドアを塞がれるなどと異常に分かり易すぎる展開の連続。即フラグ回収するのもいいけど、単純で型にはまりすぎなのでは…



連続殺人事件の被害者は4人ですが、毎度ながらテレビ映画なせいかスリルもくそもなく被害者は何となくあっさり死んでいきます。なんかこっちの方が死を軽く扱っているようで教育上よくないのではないか? たとえテレビ映画でも殺人はもっと残酷で悲惨なものであると強調すべきです。本作の場合、犯人が黒い手袋を嵌めて犯行に及ぶシーンがダリオ・アルジェントを意識しているように見えたのでなおさらですね。有体に言えばもっとエグくしてくれということです。別に直接見せる必要はなく、嫌な死に方をさせればいいのです。また、使用人が立て続けに死んでいっても雇い主の家族は大した反応もなく結婚式を延期するわけでもないので余計命が軽く感じます。 というか偶然の事故死ということになってて警察も何もしないし。



あんまり真剣に観ていたわけではないのでアレですが、クライマックスまでに視聴者が犯人を推理できるような作りにはなっていなかったように思います。母、カール、義理の妹、誰が犯人であっても「フーン」で済ませてしまいそうな感じ。だからまあ、いざ犯人が判明してもフーンだし、別に何かトリックが使われていたわけでもない。主人公が推理によって導き出したわけでもなく、ただ犯人が勝手に馬脚を現しただけでした。



オチはオチで、主人公は幸せな結婚を遂げるけども犯人は精神病院にぶち込まれてオワリという一体何度見たことやらと嘆きたくなる既視感ありまくりのエンディング。いつも言ってることですが、ここまで型通りにする必要がどこにあるのか。どうせなら視聴者の心に何らかの爪痕を残すべきではないのか。いっそのこと皆殺しエンドにするとか何とかしてほしい。

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