「呪いの怨恨 エコーズ・オブ・フィアー」 感想 脅かし方は上手い

概要

原題:ECHOES OF FEAR

製作:2018年アメリカ

発売:プルーク

監督:ブライアン・アヴェネット=ブラッドリー/ローレンス・アヴェネット=ブラッドリー

出演:トリスタ・ロビンソン/ハナー・レース/ポール・キリコ/マーシャル・ヒルトン/エリフ・サバス


心臓発作で亡くなった祖父の家を相続したアリッサ。高く売却するためにしばらくそこに住み込んで掃除をすることに。だが怪奇現象が頻発し、友人のステフと共に原因を探るとその家には恐ろしい秘密が隠されていた。

予告編

感想



ゲオ先行レンタルの心霊ホラー。

ジャケットには「ジャパニーズ・ホラーから影響を受けた海外版お化け屋敷」と書いてあります。

たまにこういうの出てきますね。アメリカの心霊ホラーはたいてい奥ゆかしさとか情緒というものに欠けていて、ドーン!バーン!と騒がしく姿もはっきりクッキリ見せてしまうのでビックリはしてもあまり怖がれません。邦画がアメリカ映画に勝ってる数少ないジャンルです。かと言ってジャパニーズ・ホラーも「リング」と「呪怨」さえ見とけば充分という感じもしますが。



まあでもやっぱり心霊ホラーはジャンプスケアに頼らずじわじわと怖がらせてくれる方が好感が持てます。いきなりでかい音と共に何かを出した結果生まれるのは単なる「驚き」であってホラーに求められる「恐怖」とは違うんです。


そこへ行くと本作は得体の知れないモノが静かにジワァ…と滲み出るように現われてくるので、確かに日本的な渋い恐怖演出でうれしくなります。静的な禍々しさが漂っている。やっぱりホラーにはジャンプスケア的なハデな演出はいらないんですよ。



……などとこちらを完全に油断させておいて、いきなりドバーン!!と盛大にやらかしてくれました。もうビックリしすぎて尻が浮きました。結局そういうことするのかよ! それはずるいよ…。


まあでもジャンプスケアを効果的に決めるには緊張感を途切れさせずに、それでいて観客をいかに油断させるかですよね。最近ホラーを観ていてあんなにビビらされたことはないので、上手いと言えば上手かった。



ストーリー的には、亡くなった祖父の家に一人でいたら怪奇現象が…ということで、すごくありがち。ただその割には怪奇現象の予想が付きにくく、家の「出そうな」雰囲気もいいので吸引力はあります。ペットのネズミもえらくカワイイ。また、舞台は狭く登場人物は少なく、エンドクレジットを見る限りスタッフもごく少数なので相当な低予算で製作されたことがうかがえます。オチというか真相が若干肩透かし気味なところはありましたが、この規模の映画でこれだけの出来なら充分でしょう。

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