「ゴブリン」 感想 低レベルゆえの微笑ましさ

概要

原題:GOBLIN

製作:2020年アメリカ

発売:アマゾンプライムビデオ

監督:クリス・リー

出演:アシュリー・ルネ/ジョー・カミングス/ヒューストン・トウ/ウエストン・バニング


サラは息子のサムと、新しい夫とその連れ子と共に新しい町へ引っ越してきた。彼女は粗暴で威圧的な夫と連れ子からサムを守らなければならなかった。ある日の夜、サラは窓から緑色の化け物を目撃する。近隣では次々と飼い犬が喰われ、熊かピューマが出没すると話題になっていたが…


予告編

感想



どう見ても地雷臭い香ばしさが漂っていましたが、1時間11分という尺の短さに惹かれてついこれを踏んでしまいました。この時期はなかなか時間が取れないので短い映画であればあるほどいいんです。ただ、75分未満の映画で当たりを引いた試しがありませんが。これもZ級ってほどのゴミではないものの、BGMとか一切ないし字幕は心もとない。ゴブリンの造形は真面目にやっているのかふざけているのかまるで判別がつかない等、話はありがちながらも相当尖った作品となっています。


有り体に言えば2020年製作とは信じられないほどのショボさです。特にCGがね。いや自主製作映画でCGを使ってること自体はスゴイのかもしれませんが。「ガジュラ」とか「ファング 怒りのモンスター」を観た時の感覚に近いと言えばショボCG映画マニアの人には分かってもらえるでしょうか?



とはいえ、これはアマプラでよくあるitn distribution作品よりは数段マシなレベルです。itnのように意味不明すぎるとかテンションが低すぎて意識を保ってられないということはない。威圧的な再婚相手の夫ダニーと連れ子から実の息子を守らなければならないという家族ドラマに謎の怪物が侵食してくるというストーリーはクソ映画マニアであれば充分楽しめる部類です。



もちろん本作の見どころは夜な夜な町を徘徊し犬や人を喰らう謎の怪物ゴブリンですが、例によって出番は極めて少ない。その代わり、出てきた時のインパクトは相当なものがあります。ディズニーとかピクサーの映画に出てきそうなキモ可愛い系のデザインなんです。シュレックを思い出したかな。一応シリアスなホラー調の映画のクライマックスでコイツが出てきた時のズッコケ感と言ったら…。出くわしたダニーが吹き出していたところを見るとあのマヌケな造形は確信犯のようだしくそショボイことはショボイんですが、この予算感の映画にしてはよく動いているとも言える。人をまるごと喰らうシーンに何となくこだわりが感じられます。一見ふざけているようにしか見えないけど、実はそうでもないのか?



この天然物のおとぼけ感がクソ映画マニアのツボをツンツンつついてきます。アマゾンでレビューするなら星一つ以外あり得ないレベルのクソ映画には違いありませんが、まあまあ印象に残る良いクソ映画ではないかと思います。

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