「タイム・ダイレイション 死のベッド」 感想 キラーソファに続く家具ホラー第2弾

概要

原題:BED OF THE DEAD

製作:2016年カナダ

発売:プルーク

監督:ジェフ・マー

出演:コリン・プライス/アリサ・キング/デニス・アンドレス/ジョージ・クリッサ


風俗店に泊まりに来た男女4人。だが、彼らがとった部屋のベッドは怨念のこもった呪いのベッドだった。ベッドから降りると殺されることを知った彼らが助かりたい一心で電話で助けを求めると、なぜか2時間後の未来にその事件を捜査していた刑事に繋がるが…


予告編

感想



死のベッドが寝ようとした人間をモリモリ喰らう…

「キラーソファ」に続く戦慄の家具ホラー第2弾!



…という感じでもっとアホっぽく宣伝してもいいんじゃないかなと思ったんですが、家具ホラー要素よりも「バタフライ・エフェクト」「ミッション:8ミニッツ」系のシリアスなSFタイムサスペンスとして売ろうとしているカナダ映画。けど、やっぱりどちらかと言えば不条理な家具ホラーでした。時間SFの要素もないわけじゃないから詐欺ではないけどそれがメインではない。



風俗店で楽しもうと泊まりに来た男女4人。使われていない部屋をむりやり借りてキングサイズの古いベッドでとりあえず寝ようとすると、一人がベッドの下に吸い込まれ粉砕されてしまう。それは呪われた恐怖の殺人ベッドだったのだ。ベッドから一歩でも降りるとベッドに殺されると悟った3人は何とか逃げ出せないかと策を講じるが、ベッドは一人ずつ狙いを定め幻覚を見せてくる。



殺人ベッドが襲ってくるバカ映画ということでキラーソファ的なシュールさを期待していたわけですが、実際のところベッド本体は全く動くことがなく、ターゲットに幻覚を見せたり幽霊を出したり念力のようなパワーで引き裂いたりと心霊・超常現象がメインなので笑える要素は全然ありません。面白いことは面白いけど、思ったより行儀が良くてキラーソファほどのときめきは感じませんでした。ただ、その代わりグロゴア表現はまあまあ過激。呪いのベッドというアホ臭いネタながらもキラーソファと違ってそこそこシリアスな恐怖感が出ています。



また、彼らがスマホで助けを求めるとなぜか2時間後にその事件を捜査中の刑事と繋がってしまうのも見どころ。なぜ呪いのベッドにそんな力があるのかは全く分かりませんが、こういう下らない家具ホラーに時間SFの要素を絡めるのは確かに斬新です。殺人ベッド一発ネタでは済ませず、もっとひねりを加えて楽しませようというその心遣いがうれしい。ベッドに呪い殺される人たちには実はある共通点があったり、地味に謎解きサスペンスっぽい要素もあって飽きさせません。呪いの殺人ベッドという馬鹿馬鹿しいネタでこんなにまじめに作ってあるなんてすげえなあと感心します。これはそこそこの良作と言えるでしょう。キラーベッドがキラーソファのように直接動いて人間を襲ってくれたらもっと良かったけどなあ。


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