「ヒューマン・レース」 感想 いい加減すぎる神

概要

原題:THE HUMAN RACE

製作:2013年アメリカ

発売:インターフィルム

監督:ポール・ハフ

出演:ポール・マッカーシー・ボイントン/エディ・マギー/トリスタ・ロビンソン/T・アーサー・コッタム/ブリアンナ・ローレン・ジャクソン/フレッド・クーリー/ノエル・ブリットン


突如見知らぬ謎空間へワープさせられた男女80人。何か神のような存在が彼らに奇怪なレースを強要してくる。それはコースを外れて草に触れたら命はない、誰かに二周遅れにされても命はない、レースを拒んでも命はないとするふざけたルールで最後の1人になるまで走れというものであった。


予告編

感想



キングの「死のロングウォーク」っぽい映画かな?…と思って観たら、むしろそれより山田悠介に近いような…と思ったら全然そうでもなく(リアル鬼ごっこしか読んだことないけど)ちょっと変な映画。型にはまって陳腐になりがちなデスゲーム映画にしては個性が出ている方でした。



しかしこのタイトルとジャケ絵ではどう受け取ってもデスマラソン要素に期待してしまうんですが、本編ではそんなにまじめにレースしてない。例によって主催者を出し抜いてみんなで助かろうとルールの抜け穴を突こうとする奴が主人公っぽいし、どうせ最後の1人しか助からないなら他の奴を直接殺してしまえって奴も出てくるし、結局ただのバトルロイヤルを見せられたような気分になりました。どうしてデスゲームものはいつもこうルールから逸脱したがるのか。たまには正々堂々とルールに則って勝利を目指す人物を主人公にしてみてほしいんですが。



主人公と言えばこの映画、最初に出てくる白血病が奇跡的に完治した女の子がそうなのだと見せかけていきなり退場させたり、主要メンバーかと思われた人物を次々とあっさり死なせたりとなかなか油断が出来ません。脚本書いた人の性格の悪さが窺える。また、善良そうな障がい者にド汚い欲望を噴出させるわ、子供や妊婦にも容赦ないわと極限状況を通して人間の嫌な部分を描き切ってやるという意欲は感じます。隻脚で松葉杖の人物を活躍させてるのも新しくていい。松葉杖アクションという新ジャンルを開拓してます。



良いところもある分やっぱりデスレース要素が蔑ろにされてるのが気になるんですよね。まじめにレースするってことは他の全員を殺そうとするも同然なので、そういう人物はむしろ悪者扱いされちゃってる。一歩も動けないジイさんやケガをした子供のため、主役サイドは皆に走るのを止めさせて皆で助かろうと呼びかけます。が、レースを拒んだら命はないって言われてるのにそれはマズイのではないか。 コースアウトして草を踏んだ人は頭が爆裂しているのに。



そもそも主催者が参加者をあまりにもテキトーに拉致ったせいで80人の中に全く走れないジイさんや妊婦や幼い子供が含まれているわけで、終盤で明かされるレースの目的からすると全く持っていい加減な仕事ぶりだとしか思えない。その辺の街の区画からまとめて連れ去ったとかいくらなんでも雑すぎます。そんなとこから人類代表を選ばれてもなあ。だからあのメンバーで競わせても全然意味がないんですよね。ザコの群れでいくら勝ち抜いてもザコなので。どうせやるなら「プレデターズ」のように厳選して拉致しないとダメでしょう。というか最後に生き残った人物に課される次のステージがその「プレデターズ」っぽくて、すごく頭悪くて面白そうなので続編で「エンジェル・レース」とか作ってくれませんかねえ。


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