「ジュラシック・ブリーダー」 感想 ジュラシック牧場

概要

原題:Raptor Ranch

製作:2013年アメリカ・ロシア

発売:インターフィルム

監督:ダニー・ビショップ

出演:ヤナ・メイション/ロレンツォ・ラマス/デクラン・ジョイス/アレクサンドラ・ハレム/アル・バーク


テキサス州のド田舎にある何もない町フォッスルリッジで謎の殺人事件が起きていた。ドライブインで働くアビーは、乗ってきた車がガス欠に陥った若者たちのためにガソリンを分けてもらおうと町一番の変わり者の農場へと連れていくことに。しかし、そこは恐竜を繁殖させている「恐竜牧場」であった…


予告編

感想



最近ジュラシックな映画が少ないなあと思うんですよね。今年は10月に「ジュラシック・アイランド」がありましたが、あれは中国製なのでどこか物足りない。やっぱりアメリカ人がバカやってくれないと駄目なんです。邦題にジュラシックがついてる劇場未公開作は例外なく死ぬほど酷いという法則があるので毎回ボロカス言ってるわけですが、出ないとなると不思議なもので無性に寂しくなる。ということで旧作でなんかないかなとプライムビデオをほじくり返していたら見つけてしまった映画です。



内容は期待を裏切らず、猛烈に酷い。極限まで知能指数を下げ切った内容はこれぞアメリカン「ジュラシック」だという安心感がありますね。眺めているだけでバカになりそうですが、世の中下手に利口でいるよりバカでいた方が幸せなこともあるでしょう。よって本作も人を幸せにする力のあるバカ映画だと言えます。



邦題は「ジュラシック・ブリーダー」ですが、特にブリーダーしてるような要素はありません。「ジュラシック牧場」の方が良かったんじゃないかな。フォッシルリッジとかいう超ド田舎で馬や牛ではなくなぜか恐竜を飼育している恐竜牧場があったという話ですが、何をどうやって恐竜を復活させたのか説明なんぞ何もないし、なんでそんな牧場を運営してるのか理由も何もありません。おまけに「恐竜牧場」なんて看板をデカデカと掲げているうえに夜な夜な恐竜の鳴き声が響き渡っているにも関わらず、町の住民は誰もそのことを知りません。清々しいほどに理屈や整合性というものを投げ捨てている映画です。



しかし、その恐竜たちが逃げ出してからの展開は意外と悪くない。CGのクオリティもそれなりに悪くないし、出し惜しみすることなく破壊・殺戮に専念してくれるため見せ場にも事欠かない。バカ映画でもちゃんと観客を楽しませようという心意気がありますよ。それもB級グルメは質より量だと言わんばかりの盛り込み方です。特に、主人公のアビーたちが逃げ込んだ家を屋根からバリバリ破壊してドライブイン店主をグチャグチャ喰らうシーンは秀逸でした。我々がジュラシックと名の付く映画に何を求めているかを過不足なく把握している。



登場人物の頭が悪すぎるせいでツッコミどころ満載な死に方を晒していくのも楽しくていい。空気銃でメガロサウルスを仕留めようとして喰われたり、せっかく安全地帯にいるのになぜか恐竜釣りを楽しもうとして襲われたり。

これですよ。

このフロンティアスピリッツこそがアメリカンジュラシックの醍醐味なんです。



…と言いつつ本作はアメリカ・ロシア合作ということになってるんですが。これのどこにロシア成分があったのか。そもそも合作するほどの映画なのか。謎です。

まあそれはさておき、プライム会員の方はたまにはこういうのを観て適度に知能指数を下げておくのもよろしいのではないかと思います。

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