「ファンタジー・アイランド」 感想(ネタバレあり) 夢を詰め込み過ぎて破綻

概要

原題:Fantasy Island
製作:2020年アメリカ
発売:ソニー・ピクチャーズ
監督:ジェフ・ワドロウ
出演:マイケル・ペーニャ/マギー・Q/ルーシー・ヘイル/オースティン・ストウェル/ジミー・O・ヤン/ポーシャ・ダブルデイ/ライアン・ハンセン/マイケル・ルーカー

訪れた者の夢を何でも叶えてくれるという不思議な島ファンタジー・アイランド。管理人のロークに招かれ、5人の男女が望みを叶えるためにやってきた。次々と夢が実現し、島のパワーに感激する彼らだったが、楽しい夢は次第に悲惨な悪夢へと変わっていき…

予告編


感想





そこを訪れるとどんな願いでも叶えてくれる夢の島ファンタジー・アイランドにやってきた5人の男女を襲う悪夢を描いたホラー?映画。原作は70年代のテレビドラマらしいんですが見た事も聞いた事もありません。


どんな夢でも実現する島と言っても、「何もかもを手に入れたい」と願った男JDに提供されるのが「美男美女に囲まれてパーティ」なので別に言うほど大したものではない。ファンタジーというか管理人のロークが財力と人海戦術の力技で用意してくれる現実的な物だと思ったんですよね。

なので、高校時代のいじめっ子に復讐したいと願ったメラニーは拷問室に監禁拘束されてるいじめっ子を見て、良く出来たホログラムだと思い込みます。拷問装置を操作して陰湿極まりない復讐を愉しむが、実はそのいじめっ子が拉致されてきた本物であると気づいてしまう。何だよこの島やべえよ!…という展開なので、やっぱり力技で夢を叶えているように見えます。法を犯すことさえ厭わずに実現しており、ファンタジー・アイランドの管理人ロークは相当危険な人物であることが窺えます。


他にも、何年も前にプロポーズを断って後悔しているグウェンにその時と全く同じシチュエーションを用意してやり直させてあげたり、父親のような兵士になりたいと願った警官パトリックが死んだはずの父親と再会したり…とそれぞれが夢を叶えていきますが、みすぼらしい風体のマイケル・ルーカーが出てきたあたりからどうも雲行きが怪しい。


とか思ってたら、ロークの力技で夢をむりやり現実化していたのではなく、本当にファンタジーな島の不思議パワーで願い事を叶えていたことが判明。

何だそりゃあ…島の不思議パワーでいじめっ子を拉致してきたのかよ…と突っ込みたい。おそらく元になったドラマでは初回で島の設定を明かしておいて1人1話、つまり1話完結形式で夢と人物をじっくり描写していったのでしょう。多分笑ゥせぇるすまんみたいな感じで。

そういう見せ方ならこの内容でも70年代では通用したかもしれません。が、2020年の今はほとんどの人がドラマ版も未見だろうし、それなのに100分そこそこの尺で5人まとめてファンタジーなパワーでどうのこうのされても、ものすごくとっ散らかってグダグダな印象。これはちょっと受け入れにくい。

さらに実は島のパワーは邪悪なもので、楽しい夢が悪夢になっていくとか中途半端にホラーっぽくなってるのも成功してるとは思えない。急にゾンビみたいのを出されても怖さのカケラもないんです。残酷シーンもありそうで全く無い。そもそもドラマ版も別にホラーではないらしいし、何で映画はホラー仕立てにしたのか。


何やらサスペンス的などんでん返しもあざとく仕込んでありますが、ニックとかいうポッと出の見知らぬどうでもいい人がキーパーソンになってるうえに、メラニーの行動も全然辻褄があってないんで全く驚くこともできない。なんでいじめっ子が水を飲んだらああなったんだ。まずいじめっ子を助けた理由も謎だし。明らかにグダっててわけ分からん。そもそも登場人物が多すぎたのもいけない。夢を叶えに来たのはせいぜい2~3人にしとけば良かったんじゃないかと。

結構カネがかかっているのに、日本では劇場公開もソフト化もスルーされてデジタル配信オンリーにされたのもむべなるかな…と思える出来の作品でした。

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