「ザ・コンヴェント(2018)」 感想 人が苦しむ姿を楽しんではいけない

概要

原題:HERETICKS
製作:2018年イギリス
発売:プルーク
監督:ポール・ハイエット
出演:ハンナ・アータートン/クレア・ヒギンズ/マイケル・アイアンサイド/ロージー・デイ/アニア・マーソン

ある事件がきっかけで魔女裁判にかけられ、火あぶりの刑に処されそうになったペルセフォネは、すんでのところで修道院に入れられる。厳しい戒律に縛られたその修道院ではシスターの怪死が頻発。そこには恐ろしい悪霊が棲みついているのであった。

予告編




感想


17世紀の修道院で悪霊の呪いが起こす惨劇を描いたゴシックホラー。
プルークのゲオ先行レンタル品。



この手のゴシックホラーは大体そうなんですが、頭からケツまで映像も雰囲気も極めて暗く陰鬱かつ陰惨で気が滅入ってきます。よく晴れた日曜の朝っぱらから観るもんじゃないですね。観るなら雨の日か深夜にすべきです。なんせ登場人物が常にみんな死ぬ寸前のような生気のない顔をしている。昼間でも真っ暗な修道院の中で厳しいマザーに抑圧されてる修道女らは一体何が楽しくて生きているのか全然分かりません。

まあ私も厳しいルールに抑圧されてる陰鬱な会社員だから似たようなものかもしれませんがね。いつも死ぬ寸前のような顔で出社してるし。24世紀の未来ではおそらくそういう暗く陰惨な社畜生活がゴシックなホラーとして楽しまれていることでしょう。

本作、17世紀っぽい雰囲気は何とか出ているのでそこそこ金はかかっているのではないかと思います。出来は悪くないです。ゴシックホラーが好きな人ならまあまあ楽しめるのではないかと思います。しかし17世紀のシスターの思考回路は現代日本人とは全く違うので私はまるで共感も感情移入も出来ず、さらに画面が大体真っ暗なので顔もよく分からない。何もかも暗い。なので、主人公のペルセフォネとその他大勢との区別さえ最後まで付きませんでした。みんな同じ格好してるしさ。これではちょっと楽しみにくい。

中盤になると、呪いか何かで突如発狂したシスターが自分の両眼を抉り出してしまうシーンが訪れます。意外とスプラッター描写は派手なようです。これでやっと楽しめる展開がくるのか!?…と少し期待したのですが、そんな私を抑えつけるかのように厳しいマザーが一言。

「他の人が苦しむ姿に心惹かれるべきではありませんよ!」

ホラー映画マニアに対して突然の正論。これはあまりにも厳しすぎるのではないか。極論すれば、他人が苦しむ姿を見たいからわざわざ好き好んでホラー映画を借りてきているのにそれさえ許してくれないホラー映画とは…。しかしここではマザーの言うことは絶対です。

ということで、クライマックスで繰り返される目玉抉りや顔面切断といった派手目のスプラッターは画面の暗さや戒律の厳しさによりあんまり楽しむことが出来ませんでした。自ら見どころを捨てていくスタイル。どこまでも禁欲的ですね。前述のとおり出来自体は悪くありませんが、私にはちょっと楽しみにくい映画でした。

コメント

  1. おお、書いてくださりましたか。しかし、岩石入道さんとしても楽しみにくい作品とは…そうなんですよね、出来自体は悪くないんですよね、これ。

    今回も楽しく読ませてもらいました。ありがとうございました。

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    1. 私はDVD借りても結局観ないで返しちゃうことも多くて、
      これもそうなりそうだったんですがソレガシさんにあのように言われたので頑張って観てみました。そんなに悪くはないけど特別良いわけでもないっていう微妙な線でしたね。

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    2. ほんとにそうなんですよね…こういうのがいちばんブロガー泣かせだなぁと書きながら思ってましたよ。

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