「サスペクト 薄氷の狂気」 感想(ネタバレ) 比喩でなく本当に薄氷だった

概要

原題:Night Hunter
製作:2018年カナダ
発売:カルチュア・パブリッシャーズ
監督:デイビット・レイモンド
出演:アレクサンドラ・ダダリオ/ヘンリー・カヴィル/ミンカ・ケリー/スタンリー・トゥッチ/ベン・キングズレー/ネイサン・フィリオン

性犯罪者予備軍を勝手に裁いている危険な男クーパー。ある時、彼は婦女連続監禁殺人犯のサイモンと遭遇。捜査官のマーシャルとプロファイラーのレイチェルはサイモンを逮捕し、尋問する。だが、サイモンは知的障害を持っており捜査は一向に進まない。そんな中、捜査を先回りするかのように次々と警官を狙った事件が起こる。

予告編




感想


前半はなかなかのスリルと緊張感がある良いサスペンスのようで楽しめるんですが、後半があまりにもスットコドッコイで残念ながらこれは駄作と言わざるを得ません。2020年にもなって今更臆面もなくあんなトリックを出してくるとは驚きました。ミステリー界では100年前には既に賞味期限が切れてるようなやつです。



婦女誘拐監禁の疑いで逮捕された男サイモン。彼には知的障害があり、捜査が思うように進まない。そんな状況下で、捜査官が次々に襲われる事件が発生。誰が捜査官を襲撃しているのか? サイモンには仲間がいるのか? 多重人格者なのか? 動機は? 忌わしい出生が災いしているのか?


という話なんですが、そもそもサイモンを発見する切っ掛けになったクーパーという男のキャラが脇役にしてはやたら濃く、どうとらえればいいのか迷わされます。クーパーは仲間の女の子と組んで美人局のようなことをやりながら、引っかかった性犯罪者予備軍を勝手に去勢してしまうという過激な活動をしているんです。

いや、気持ちは分かるんですが、それでも法治国家でそんな活動は認められないでしょう。なのに捜査官たちはそれをスルー。アメリカやカナダでは別にアリなのかな。クーパーは捜査をかなり攪乱してましたが、最後まで善人扱い。というかこの人必要だったか? 捜査どころかプロット自体の攪乱要因だったような気がするんですが。


また、若い女性をさらって監禁していたサイモンの尋問を担当するのが若くて美人なプロファイラーというのもいかがなものか。すごく危険な目に遭いそう、っていうか実際遭いまくってましたが。それもムダに出しゃばりまくった末に。





(※以下ネタバレ)







で、サイモンは拘置しているはずなのになぜ捜査官を狙った事件が起き続けるのか?っていう謎の真相は、


双子の兄貴がやってました。


っていう…
しかも多重人格者を匂わせてからの双子。
夢オチと双璧を成す禁じ手の代表格。
これはダメ。ほんと白けるから。


ところでプロファイラーはサイモンの出生の謎に迫ろうとしてたけど、それなんか意味あった?

で、クライマックスのバトルは文字通り凍り付いた湖の「薄氷」の上で繰り広げられます。
「薄氷の狂気」ってそういうこと?
真相の開陳と共に、いきなりテキトーになった感が拭えない。
あいつら結局何がしたかったんだ。
氷の上で呑気にファイヤーテニスなんぞしてないでとっとと逃げれば良かったんじゃないの。
これは双子との合わせ技でかなり萎えます。 


前半は捜査官が襲われる恐怖やサイモン役の狂気じみた熱演など結構惹き付けられるものもあったんですが、オチがこれでは台無しでした。

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