「ミュータンツ 光と闇の能力者」 感想?(ネタバレあり?)  

概要

原題:Stray
製作:2019年アメリカ
発売:アルバトロス
監督:ジョー・シル
出演:福原かれん/MIYAVI/クリスティン・ウッズ/ロス・パートリッジ/タカヨ・フィッシャー

人間を石に変え、生と死を操り、万物を破壊する
恐るべき“力”を継承してきた、呪われた血族
その封印が解かれた時、邪悪な“闇”が脅威を増し
そして、呼応するように聖なる“光”が覚醒する
(↑アルバトロスHPより)

予告編





感想


これ、意味わかんない映画オブザイヤー2019受賞決定かな? と言いたいぐらい意味が分からなくて困惑したんですが、これはよく考えると一周回って特に深い意味は何も無い映画だったのかもしれません。

刑事マーフィーは、古い倉庫の中央で石化したような奇妙な遺体の事件を捜査し始める。被害者は数年前にアメリカへやってきた移民の日本人だった。しかし、その遺体はなんと死後1000年を経過していたのだ…

…っていう導入は素晴らしく興味をそそるんですが。
そこがこの映画のピークでした。

刑事マーフィーがその遺体の家族に会いに行くと、娘のノリがなんかよくわからん超能力を発現させます。ムーディー・ブルースとゴールド・エクスペリエンスを足したような性能でちょっと神々しいやつ。しかし、刑事マーフィーはそれを見ても特に驚きもしないし深くつっこみません。一体どういうことなの。少しくらい不思議に思うだろ。そのうえ、ノリ自身も別に大した説明をしてくれないので、結局その超能力…作中では「継承」とか日本語で言ってましたが何なのか最後まで分かりません。ノリがうさんくさい古い本を読んだり風呂に潜ったりするのがヒントのようでしたが、それだけじゃ私には解読不能でした。それともこれ実は新興宗教のPR映画の類だったりする?


しかしそんなことより、色々複雑な事情を抱えた中年女性刑事と孤独な超能力少女の繊細な心の交流が本作の主題っぽいです。そこら辺はやけに丁寧な描写で、まあ別に悪くはないものの、とてつもなくスローすぎるテンポです。これはあくびが出る。決して宣伝のような派手なSFアクションではないので、予告編やジャケを見て借りた人は確実に詐欺に遭った気分になるでしょう。アルバトロスとしてはそれが通常営業ですがね。


で、その超能力少女の元に闇堕ちしていた黒ずくめの兄貴・ジンが現れ、闇のエネルギーを操りながら世界を変えようとか何とか勧誘してたようなしてないような。曖昧な書き方になってしまってあれですが、全体的に何がしたいのかよく分かんなかったんです。とにかく、その闇のエネルギーによって人を石化させることが出来るようです。なぜそれが死後1000年になるのかは結局分かりませんでしたが。


クライマックスのノリvsジンは一応まあまあそれなりにスペクタクルなムードが出ていないこともない程度にはCG班も頑張っていますが、何がどうなっているのか全然知らんので特に盛り上がりようもない。オチも驚くほど意味分かんない。結局ノリはジンを普通にぶっ殺して、巻き添えになった警官たちはゴールド・エクスペリエンス的な能力で生き返らせたってことみたいですが…

刑事マーフィーはあれだけ訳分からん光景と現象を目にしておきながら、最後までほとんど何も突っ込んでくれないという。いんだよ、こまけえことは…とでも言いたげな笑顔が実にまぶしい。いやしかし、彼女の頭の中でこの一連の不可解な事件がどう処理されていたのか。どうでも良かったのか。わからん。


ということで、これを観た人は誰か私に懇切丁寧に解説してあげてください。

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