「生き人形マリア」 感想(ネタバレあり) ところどころ妙に豪快なフィリピン産ホラー

概要

原題:Maria Leonora Teresa
製作:2014年フィリピン
発売:マクザム
監督:ウェン・V・デラマス
出演:イザ・カルザド/サンジョー・マルード/ジョディ・サンタマリア/ダンテ・ポンセ/ジョーム・バスコン

小学校のバスが橋から転落し、乗っていた子供たち全員が亡くなるという痛ましい事故が発生。娘を失ったフリオ、フェイス、ステラの3人は悲しみに暮れていた。そんな彼らの元を精神科医マノロが訪ねてくる。彼は「悲しみを癒す実験」と称して娘に似せた人形を置いて行った。だが、それからフリオたちの周囲で次々と殺人事件が起こりはじめる。


予告編





感想


何だこれ!スゲエ!と思わず感心してしまうほど謎のパワーに満ちたフィリピンのオカルトホラー。

小さな子供たちを大勢乗せたバスのブレーキが怨霊に無効化され、事故って全員死んでしまうオープニングからしてもう文字通りブレーキがぶっ壊れています。子供の無残な遺体に縋りついて泣き叫ぶ親たち。悲惨すぎる。こんなの他の国の映画だったらまず自粛する絵面です。

さらに、子供を喪って悲しみのどん底にいる3人(フリオ、フェイス、ステラ)の元を訪ね、「悲しみを癒す実験に協力してくれ」などとのたまう精神科医もまた凄い。子供の代わりにと実物大の娘人形を置いてくだけでも相当いかれてるのに、その人形のビジュアルが恐ろしく絶妙にキモいんです。あんな不気味なモンが自分の部屋にあったら視界に入るたびにチビりかねない。

しかしそんなキモさを追求したとしか思えないキモドールでも何かの呪いがかけられているのか、フリオたちはそれに癒され依存していきます。本作は地味に尺が長いので飯食いながら観てたんですが、この辺のくだりで食欲がちょっと失せてくるぐらい気持ち悪かったです。これだけ会心のキモさを持った人形を3体もクリエイトできた時点でこの映画の成功は約束されたも同然だったでしょうね。


さてそんなキモ人形が段々牙を剥き始め、フリオたちの周囲の人間を刃物で滅多刺しにしていくんですが、これがもう爆笑もの。いや、刺されるシーン自体はマトモなんです。数十か所も刺されまくった被害者たちは病院で治療を受け、ベッドに寝かされている状態。そこに警察やフリオたちがやってきて「誰にやられたんだ!?」とくるわけです。
…が、なんと治療を受けたはずの被害者たちはどいつもこいつも傷がほとんど全部剥き出しのままなんです。ガーゼぐらい貼ってくれないんかと激しく突っ込みたい。それとも刺し傷は自然乾燥で治すのがフィリピン流なのか。


で、黒幕は当然そんなキモ人形を持ってきた精神科医。動機は息子の復讐だったと明かされます。月並みですね。しかし、ターゲットは3人なのにオープニングで少なくとも子供1クラス分は葬ってることになるんだけどいいのかそれで。ただの巻き添えにしちゃ数が多すぎないか。などと疑問に思う間もなく突っ込みどころ満載のラストバトルから怒涛の謎エンディング。しかし突っ込みが追いつかないので理解するのをやめました。ということで、本作については「何だか知らんが、とにかくよし!」ということにしておきます。

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