「レプリケイト 襲撃」 感想 エイリアン vs. YouTuber

概要

原題:Assimilate
製作:2019年アメリカ
発売:ファインフィルムズ
監督:ジョン・マーロウスキー
出演:ジョエル・コートニー/ケイラム・ワーシー/アンディ・マティチャック

ミズーリ州の小さな田舎町でyoutuberをやっているザックとランディ。ある日、町の住民が何かに噛まれるという事件に遭遇する。神父が怪しいと突き止めた二人だったが、なぜか誰にも相手にされない。町の住民は少しずつ、侵略者に取って代わられつつあったのだ。


予告編




感想


田舎町の住人が気づかないうちに少しずつエイリアンに侵食されていく。

これはなんと既視感溢れる…というか「ボディ・スナッチャー(盗まれた街)」の現代版って感じです。昔は午後のロードショーとかでドナルド・サザーランド主演のやつがしょっちゅう放送されてましたね。私はそれしか観たことありませんが、「ボディ・スナッチャー」はこれまでに合計4回も映画化されているようです。となると今回は5回目。よっぽどアメリカ人はこの話が好きなんでしょうね。まあ古典的とはいえ元々が面白い話だし、本作も低予算の割にそこそこ楽しめる出来ではあります。

それでも同じネタで5回も映画化してるからには何か最新版ならではというオリジナリティが欲しいところですが、本作の場合「主人公がyoutuber」「噛み付きでコピー人間を作成してから本体の脳を狙う」という2点で勝負しています。


まず主人公ザックがyoutuberである点については、単に時代を反映しただけで特別効果的に働いてはいないかなあ…と思いながら観ていたんですが、ラストの使い方だけはちょっと感心しました。別に意外性も何もない予定調和的なオチか~…とガッカリさせてからの、あのyoutuberならではの微かな希望の見せ方は良い。あんな状況でyoutubeの新着動画をチェックするという発想はなかった。新着通知を受け取る設定にしてたのかな。

次に侵略者の乗っ取り方が2段階構成になってて「まず噛み付いて遺伝子をコピー」⇒「オリジナルから脳みそを吸収して抹殺」と微妙にまどろっこしい点は確かに過去作との差別化が出来ていて悪くはないです。ただ噛み付いて来るエイリアンの姿があの悪夢的珍作「グレムリン2017」を彷彿とさせるロークオリティですが…まあそこは目を瞑りましょう。

あと、コピー人間の不気味さの表現も何だか月並み過ぎるなという気はします。電波的なシャウトといい集団行動しているシーンといい「セル」の携帯ゾンビとよく似た雰囲気でしたが、あっちよりは不気味さ・異常性の点でだいぶ劣るかなと。本当は「SF ボディ・スナッチャー」と比較すべきですが、昔すぎて細かいことは忘れてしまったので…。

ということで、「ボディ・スナッチャー」の旧作を観たことがある人はわざわざ新作で借りる必要はないかなと思います。逆に観たことがない人には、そこそこオススメです。

コメント