「4×4 殺人四駆」 感想 犯罪が日常の世界で、四駆をどう使いこなすのか

概要

原題:4×4
製作:2019年アルゼンチン・スペイン
発売:ギャガ
監督:マリアノ・コーン
出演:ピーター・ランサーニ/ダディ・ブリエバ

車上荒らしのシロは、ある日いつものように住宅街に停まっていたSUVに侵入。カーステやサングラスを盗み、意味も無く小便を撒き散らしてから車から出ようとする。しかしドアが開かない。そのSUVは車上荒らしを閉じ込め、遠隔操作で苦しめる仕掛けを施されたネズミ捕りの罠だった。

予告編







感想

「4×4 殺人四駆」…すごく面白そうなタイトルですよね。どんな不整地でも走行できる超性能の四輪駆動車が激走し人間を襲いまくる映画に違いないと思い、リリース前からかなり注目していました。


というのも、私はくそ寒く雪深い地域に長年生息しているわけで、四輪駆動車については多少こだわりのある人間なのです。そんな私の愛車はスバル・インプレッサ。雪国御用達のアクティブトルクスプリット方式のシンメトリカルAWD。スバル独自の水平対向エンジンを活かした左右対称の作りで重量配分も左右同じに出来、走行状態に応じて適切にトルクを配分できる信頼性の高いAWDで(以下略)。



…で、本作に出てくる四輪駆動車は「PREDATOR」というSUVです。
そんな車知らなかったので調べてみると、トヨタの海外専売車に「フォーチュナー」っていうのがあってそれに似ているんですが「PREDATOR」というグレードがあるわけでもなさそうだし、結局架空の車種なのかもしれません。



まあ、別に本作オリジナルの車だろうと何だろうと、不整地とか雪道を激走して人を跳ね飛ばしてくれるんなら楽しめるだろう。


そう思ったんですが、なんとこの「PREDATOR」、最初から最後まで一切走りません。
まったく走りません。一ミリも。エンジンすらかからない。そういう映画じゃなかった。四輪駆動である意味もまったく無い。



じゃあ何なんだ…と言うと、車上荒らしの男がそのPREDATORに乗ってカーステやら何やらをリュックに詰め込んで出ようとしたら、閉じ込められてしまっていた。実はこの車は、車上荒らしを捕らえていたぶるためのトラップだったのだ。という、ちょっと「ソウ」っぽいワンシチュエーションもののスリラーでした。


主人公が車上荒らしだけあってかなりのクソ野郎でして、車内の物を盗むだけならまだしも無意味に尿まで撒き散らしてから去ろうとする始末。しかしその直後脱出不能に陥っていることに気付き、車内で暴れて無駄に尿まみれになってしまうという。さらに閉じ込められて数日が経過し、水が手に入らないので飲尿健康法を実践する羽目にまで陥る。こんなに尿を活用しているスリラー映画も珍しい。



これはこれで尿スリラー映画としては面白いんですが、さすがに車という狭い空間にたった一人ではやれることも限られており、中盤から露骨に息切れネタ切れし始めます。「車が動いた!!と思ったら夢でした~」…というくだりは時間稼ぎ以外の何物でもないしさすがにちょっと怒りを覚えました。後半は完全に路線が変わっており、社会問題を提起するかのような高尚な雰囲気を出してますが、これも時間稼ぎに見えてしまうのが悲しいところ。



ワンシチュエーションスリラーが好きな人にはそこそこオススメできないこともないが、前半だけ見たらあとは早送りしてもいいかもしれません。

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