「エンド・オブ・ステイツ」 感想 爆発と銃撃戦しかないけどそれはそれでいい

概要


原題:Angel Has Fallen
製作:2019年アメリカ
配給:クロックワークス
監督:リック・ローマン・ウォー
出演:ジェラルド・バトラー/モーガン・フリーマン/パイパー・ペラーボ/ニック・ノルティ

シークレットサービスとして大統領警護の任務に就いているマイク・バニングは、これまでの激戦で傷つき衰え、現場からの引退を考えていた。しかしある日、釣りに出ていた大統領を無数のドローンに襲撃され、大統領は昏睡状態に陥り仲間も全て失ってしまう。しかもマイクは何者かの陰謀でその罪を着せられてしまうのだった。


予告編




感想

ストレスまみれの現代社会を生きる日本人にとって今最も必要とされているものは何か? そう、爆発です。近頃めっきり花火などやらなくなったし近所でもやってる人などまず見ませんが、あれも一種の爆発と言えます。つまり人類は古来より轟音と共に炸裂する何かを見て快楽を得たいという根源的欲求があるのです。なので、私も低予算ホラーばかりではなくたまには映画館で激しく爆発するアメリカ人を鑑賞したくなるのですが、近頃そういう脳筋爆発映画が劇場公開されることはあまりなく、スクリーンで大爆発を堪能する機会は減少しつつあります。

本作はアクション映画としては大作感はあるもののストーリーやアクションそのものは極めて凡庸で、観客の記憶にも全く残らないであろう空虚な作品でしかないと思います。だが、それでもいい。余計なことに気を配る暇があるのなら一つでも多く大爆発を拝ませてほしい。





ところで邦題からは非常に分かりにくくて私も最初気付かなかったのですが、本作は「エンド・オブ・ホワイトハウス」「エンド・オブ・キングダム」に続く、マイク・バニングシリーズ第3弾です。私は~ホワイトハウスも~キングダムも公開当時に劇場で鑑賞しているはずなのですが、記憶はほとんど残っていません。北朝鮮がドローンでホワイトハウスを直接攻撃してきたのが微妙に印象に残ってるかなといった程度です。なので本作を鑑賞するうえでシリーズ物だということを意識する必要は全くないと言えるでしょう。主人公が罪人扱いされ、逃亡者となりながらも真犯人を追うという展開は教科書通りに作ったんだろってぐらいありがちすぎて緊張感も絶望感も皆無だしストーリーについては今更何も言うことはございません。ジェラルド・バトラーももう50歳だし結構太ったからか銃を撃つぐらいで体は大して動かしていません。


で、爆発の話に戻りますが、それとなく数えながら鑑賞していたところ本作の爆発回数は大体110回ぐらいでした。これは近年まれに見る爆発映画なのではないでしょうか。素晴らしい。と言っても尺は2時間超えとかなり長いし、家族愛的なドラマ(笑)もそれなりにねじ込まれています。良く言えば緩急がしっかりついてる。


あとマイク・バニングの父親役でえらくジジイ化したニック・ノルティが出ているのが話題になっているようですが、私はそれより妻役のパイパー・ペラーボの方が気になりました。と言っても前にこの人を見たのは06年の「地獄の変異」以来のことなんですが、その頃は洞窟でバケモノと戦うような熱い役者だったのに何で今更こんなただの添え物みたいなつまらん役をやってるのか。爆発と銃撃戦には満足しましたが、どうもテンプレート通りに作ってお手軽に小金稼ぎをしようとしてる感も否めない作品でした。

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